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第104代内閣総理大臣〜地球からの贈りもの〜宝石物語〜

第104代内閣総理大臣

By 金子倫子

初の女性内閣総理大臣。日本にもついにこの日が来たのだな、とやっと実感が湧いてきた。

前回のコラムで話題にした、自民党総裁選で身に着けていた、高市総理の母親の形見とされる真珠の1連のネックレス。それをまた首相指名選挙でも着け、亡き母に見守られながら指名を受けるのかと思いきや。女性初の内閣総理大臣の瞬間を飾ったのは、南洋真珠と思われる12から15ミリ程度はありそうな、大粒の珠が並んだネックレス。耳には一粒だが、真珠が垂れ下がって揺れるデザインのイヤリング。

この豪華な真珠のセットは皇居にて、天皇陛下による親任式と新閣僚の認証式でも身に着け、濃紺のロングドレスに同色のジャケットと色味を抑えた分、南洋真珠の白い柔和な光が、総理大臣に相応しい威厳と女性の柔らかさという要素を体現していた。

さらにはトランプ大統領との日米首脳会談でもこのセットを身に着けており、この時はグレーっぽいワンピースに銀糸が織り込まれたような光沢のジャケットに合わせていた。定番の黒い装いでなく、明るめのグレーで凝った織のジャケットは、真珠と相まって首脳会議の場に和やかな光を投じていた。

以前、女性政治家の真珠は角隠し的なアイテムと書いたが、揺れるイヤリングは猫じゃらしならぬ、人じゃらし的なアイテムとも書いたことがある。人も動物なので、光る物や揺れる物に目が引かれる。誰かの気を引きたい時に効果的なのは科学的にも立証されている事実だ。耳たぶにピッタリとした一粒とはまた違った趣の揺れるイヤリングは、トランプ大統領の注意を惹くのに一役買ったかも知れない。

初の外交訪問となったASEAN首脳会議では、南洋真珠でも白蝶貝ではなく、ゴールデンパールと思われる一粒の下にダイヤモンドが付いているように見えた。首元はゴールドのメッシュなのか、複数のチェーンが束ねられた様なネックレスの先に、小さなダイヤモンドが9つ並んでひし形を作り、その下にイヤリングと同色の大粒真珠が配されたペンダントトップ。インナーは黒か紺か暗めの色だが、薄黄色に見えるジャケットにゴールデンパールは同系色の相乗効果。まして、ASEANの海域では天然・養殖の南洋真珠が採れることも有り、身に着ける事で友好の意思を表していたのかもしれない。

写真は筆者が最近購入した TASAKIの18金のリング。堂々と鎮座した真珠が、ダイヤに負けぬ輝きを放つ

高市総理は小粒の二連のネックレスや一粒パールのペンダントなど、さまざまな真珠のジュエリーをお持ちの様だ。よって、母親の形見のセットをどの場面で身にまとっているのか明確には分からないのだが、恐らく日中首脳会談の物はそうであっただろう。定番の黒のインナーに青のジャケットで、自身が最も落ち着くのか、気合が入るのか。トランプ米大統領との会談時の装いから比べてみると、対中国の会談に臨む厳しい姿勢を表現している様に見えた。だからこそ、この場面で母の形見を身に着けていたのは、亡き母に見守られたいという気持ちが少なからずあったのでは無いか。

ドイツのメルケル首相、ニュージーランドのアーダーン首相、台湾の蔡総統など、女性の政治のトップ退任が相次いだところで、日本では初の女性総理大臣が誕生した。日本でもいよいよガラスの天井が壊れたのだが、初の女性総理誕生でも、なぜか今ひとつ盛り上がりに欠けているように私は感じる。

ただ「サナ活」と呼ばれる、高市総理みたいになりたい女性が、総理の所持品と同じものを購入するため、品切れや品薄が相次いでいる状況が起こっている。高市総理が愛用する濱野皮革工藝の13万6400円のバッグは半年待ちだとか。きっかけは何であれ、初の女性総理に憧れ目標にして各界をリードする女性が増えれば、まだまだ日本の未来は明るい。ワークライフバランスと言われるこのご時世に「馬車馬のように働きます」「皆様にも働いてもらいます」と言ってしまう高市総理は、個人的には好きである。率先して働く高市総理が世界でどんな存在感を出すのか楽しみだ。