ジュエリーに資産価値は望めるか?
By 金子倫子
この数カ月、不透明さや曖昧さが国民の不安を増幅させた関税問題。景気への不安から、投資や資産運用などを始める人も多い。分散投資によるリスクの軽減はよく言われることだが、通貨や株も不安定、貴金属も予測不能。コロナをきっかけに不動産も変動が大きい。何に投資をすれば良いのか、何だか八方塞がりの様な気がしてしまう。
安価になったラボグロウンダイヤモンドが台頭し、天然ダイヤモンドへの需要が減ったことで価格も下落。そうは言っても天然物の希少性に変わりはないので、転売価値がほとんどないラボグロウンに比べれば多少の資産価値が望めるかもしれない。ただ金の様に20年後に10倍の価値になるかと言ったら、恐らくそれはないだろう。しかし、需要が減れば、採掘や新鉱山の開拓等への投資が減り、結果として天然ダイヤモンドの採掘が減少すれば、予想より価値が上がることも有り得なくはない。いずれにしろまだ先のことだし、それを見据えて天然ダイヤモンドに投資をするのはリスクが高いかもしれない。
安価なラボグロウンダイヤモンドは色石市場へ影響をもたらした。今までは全体の5パーセント程だったダイヤモンド以外の色石の婚約指輪が、昨年は15パーセントにまで躍進。Z世代に限って言えば、約30パーセントを占めるそうだ。ただほとんどの色石は耐久性や硬度が圧倒的にダイヤモンドより低いので、日常遣いならばその辺りを考慮した方が良いだろう。
加えて、ダイヤモンドはラボグロウン(人工)宝石の最後の砦だったが、色石に関しては何十年も前からラボグロウンが市場に入り混んでいた。色石市場拡張により、悪事をする人も増えるかもしれないので、留意頂きたいところだ。
資産価値として変動が大きいのは、ハイブランドのジュエリー。皆さんは中古のジュエリーをネットや中古店などで探したことがあるだろうか? ハイブランドのジュエリーでも驚くほど安く売られている傾向が強い。先日、13年前に貰ったもともと15万円のティファニー社のピアスが、3万円強の買取価格で驚いた。ブランドやデザインは全く加味されず、重量×金相場ということだ。買取業者いわく、「金が高騰しているからこの値段だが、金が安かったらもっと安い買取価格だった」だという。人気のデザインや、一式揃っているような場合はそれなりの価値が付くそうだが、買取の基本は、貴金属の重量の価値だそうだ。ダイヤモンドもそれなりでないと加味されない。つまり、売る場合には残念だが、購入するならかなりお得だ。
実際私も円安への不安から、少しずつ貴金属を買い始めた。ショーメというブランドのリアン(絆)シリーズの指輪を2点とブレスレット1点を購入した。ショーメは、カルティエやティファニー、ブルガリなどよりも知名度が低いため、割安で購入できる可能性が高い。
リアン(絆)を表す部分に極小ダイヤモンドが並んだピンクゴールドのバンドリングは、現在40万円弱で販売されているが、数カ月前に中古を約9万円で購入。

筆者が購入した、ショーメのリングとブレスレット
もう1つのリングはすでに廃盤と思われるもので、0・25カラットのプリンセスカットのダイヤモンドが1粒、ホワイトゴールドのバンド部分に配されている。ホワイトゴールドのブレスレットは約1/3部分が地金のバーで残りはチェーンになっていて、絆モチーフが付いている。こちらも各9万円台で購入。ブレスレットはオリジナルの金額が見つけられなかったのだが、リングの方は私の雑誌の切り抜きコレクションの中で見つけることができた。約20年前の切り抜きだが、お値段41万円となっていた。
将来、多少でも購入額より高値で売却できるのが一番良いが、もしそれが無理でも、自分で身に着けて愛でられれば良い。最悪もし売却しなければならないとき、地金だけの価値しかないとしても、今の相場ならトントンで収まりそう。
金塊の輸入にも関税が引き上げられたことを考えると、金相場はまだまだ乱気流が続くかも。ひとつひとつは小さなピースでも、地金はまだ十分に資産価値を担えるのかも知れない。












