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ストーム優勝

地元スポーツチームで女子バスケットボールのシアトル・ストームが優勝した。2004年、10年、18年に続いて4度目の優勝となる。この3年で2度目の優勝。シアトルが誇るリーグ有数の強豪チームとなった。

ストームには2015年から17年の3シーズンで渡嘉敷来夢選手が所属したことが記憶に新しい。特に1年目は本紙の若手記者が精力的に取材をしていたことを覚えている。本拠地は旧キーアリーナで現在はクライメート・プレッジ・アリーナへ名称を変えた。2021―22年からアイスホッケーのNHLに参入するクラーケンも本拠とする。

優勝といえば、街で祝うパレードとなるが、ふとストームの初優勝のときを思い出した。優勝トロフィーを掲げる選手たちの中に当時3年目のスー・バード選手がいた。当時も今も変わらずチームの中核であり続け、今月半ばで40歳を迎える。

優勝パレードで鮮明に記憶が残るのは2014年のNFLシーホークス。スーパーボウル制覇のパレードは凍える2月だった。ダウンタウンへ向かう主要交通路が早朝から完全にマヒし、抜け道、小道をくぐり抜け、何とかして仕事場に向かった。締め切り日も重なる中、異様な一日を過ごした。パレードは推定で70万人が集まったとされる。シアトル市の人口を上回る数字だった。

新型コロナウイルスの感染危機に見舞われる現在の状況では、起こり得ない熱気と人の密度だった。今季は現在4勝0敗と好調。近隣住民の日曜日の服装を見ても、当地の象徴となる人気ぶりが続いている。

こうしたプロチームから大きく後れを取るのが、MLBのマリナーズ。今季は菊池雄星、平野佳寿両投手が所属し、当地日系社会にとっても愛着度の高いチームだが、残念ながらプレーオフに届かず。米国4大スポーツで最長となる19年連続でポストシーズンを逃すという不名誉な記録を更新することになった。

最後のプレーオフ出場は球団会長付特別補佐を務めるイチロー氏の1年目だった2001年。まだ1度もワールドシリーズ優勝がない。

ソーシャルディスタンシングを含め、予防措置が絶対の今だが、当地で催される次なる優勝パレードを心待ちにしたい。

         (佐々木 志峰)

オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。