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マリナーズ新時代へ

 野球のシーズンが到来。大リーグのマリナーズが本拠地Tモバイルパークで開幕戦を迎えた。新型コロナウイルスの影響で入場制限があった昨年と違い、今年は完全オープン。一部空席が見られたが、チケットは完売だったそうで上々のスタートだろう。

 球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏をはじめ、マック鈴木選手から昨季の菊池雄星選手まで24年続けて日本選手が所属し、日本ともつながりが深いマリナーズ。今季は日本選手が見所属で、当然とばかりに続いた流れが途切れたことに幾分寂しさも残る。それでも若手選手が育ち、戦力を積み上げたチームには近年にない期待感であふれている。

 悲願は言うまでもなくプレーオフ進出。レギュラーシーズン116勝を挙げた2001年から21年が経つ。日系社会としても当時の盛り上がりが今も記憶に残るだろう。

 15日の本拠地開幕戦ではチームの飛躍を願ってイチロー氏が始球式に「登板」。球団によると、着用したユニホームは最後のプレーオフ進出、そして自身大リーグ1年目で大活躍を見せた01年当時のものだった。こん身の直球はチーム発表によると84・5マイル。思いが込められた一球を受けたのは21歳で将来を期待されるフリオ・ロドリゲス選手。マリナーズ新時代の一歩を強く感じさせた。

 チームは躍動感あふれる野球で快勝。乗り越えなければならない強敵ヒューストン・アストロズとのシリーズにも勝ち越した。

 さてマリナーズでの日系行事としては、8月28日にジャパニーズ・ヘリテージ・デーを予定している。昨年発表されたイチロー氏の球団伝統入りを祝う週末でもある。日本選手を要する相手とのシアトルでの対戦は6月以降から。6月16日から19日、8月5日から7日に昨季ア・リーグ最優秀選手となった大谷翔平選手のロサンゼルス・エンゼルスと試合を行う。

 6月10日から12日に沢村拓一選手のボストン・レッドソックス戦。7月7日から10日に菊池選手のトロント・ブルージェイズ戦。9月13日、14日にダルビッシュ有選手のサンディエゴ・パドレス戦が予定されている。

(佐々木 志峰)

オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。