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間もなく冬季五輪

 昨夏の東京五輪が終わって程なく、冬季五輪の北京大会が間近に迫ってきた。各国の五輪派遣選手が続々と発表される中で、当地ノースウエストにつながりがある選手も名を連ねている。

 冬季五輪で活躍した当地出身のアスリートとしては、日系のアポロ・アントン・オーノ選手が挙がるだろう。ショートトラックで2002年ソルトレークシティー大会、2006年トリノ大会、2010年カナダ・バンクーバー大会に出場。2つの金メダルを含め、冬季五輪に出場した米国選手の中で最多となる8つのメダルを獲得した滑りは記憶に新しい。

 彼の姿に刺激を受けた次世代選手たちが当地で台頭する流れは脈々と続いており、シアトル・タイムズ紙でも当地から2選手がショートトラックの五輪代表に選ばれたことが紹介された。その他、ノースウエストに縁ある選手はスキー、スノーボード、ホッケーといった競技で米国代表入りを決めているようだ。

 東京五輪同様、今回の北京五輪でも日本選手のメダル獲得が期待される。特にフリースタイルスキーやスノーボードといった競技での躍進が目覚ましい。これらの競技は昨年末から1月にかけて北米各地で競技大会が行われ、日本選手も多数参加。予選上位のみで争う決勝の半数が日本選手で占められたこともあった。

 五輪前の前哨戦としてライバル選手たちと火花を散らし、男子、女子競技ともに好成績。1月に入り、フリースタイルスキーでモーグルの堀島行真選手や川村あんり選手、スノーボードではハーフパイプの平野歩夢選手や冨田せな選手が各大会で表彰台の頂点に立った。五輪でもメダルの有力候補となる。

 各選手が10代後半から20代前半という若さに驚かされる。コーチから聞かされた競技に取り組む姿勢。舞台慣れし、勝負所でも堂々たるパフォーマンス。まさにトップアスリートのものだった。

 東京五輪と変わらず新型コロナウイルスのトンネルに終わりが見えない中で迎える祭典。選手たちの華やかな活躍で、また大いに勇気をもらいたい。

(佐々木 志峰)

オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。