By 佐々木 志峰
USニューズ&ワールド・レポート誌による米国州別ランキングを紹介する記事があった。ヘルスケア、教育、経済、犯罪、インフラ、自然環境、州財政などの8カテゴリーから算出された総合データによるもので、今年、ワシントン州は全米10位にランクインした。
シアトル・タイムズ紙によると、ワ州は2023年に2位となり、昨年も8位だった。今年もトップ10にはなんとか入っているが、徐々にランキングを落としている面も見落とせない。犯罪率を主なベースとした公共安全の面は全米でも下位にあたるようだ。また生活や住宅コスト全般を元にした値ごろ感では、カリフォルニア、ニュージャージー、ハワイ、マサチューセッツの上に位置するのみで、感覚通りに「高い」州となっているようだ。
たまたまこの記事を目にしたのが、同ランキングで1位に認定されたユタ州から帰ってきたばかりだっただけに強く印象に残った。 出張で何度か訪れている州だが、どの季節でも不満が出ることも特にない。今回は初めての街に訪れたが、当地とは全く違う景色に圧倒されてしまった。赤茶色の岩肌が目の前に広がる。関係者からの「火星にいるみたい」と言う声に思わず納得。標高が高く、崩していた体調を取り戻したばかりのタイミングだったこともあり、やや順応に時間がかかった気もしたが、雄大な景色を十分に楽しませてもらった。
その帰り。シアトル到着を目前にしたとき、飛行機の機内でアナウンスが流れた。一方の窓側からレニア山を眼下に見ることができるとのことだった。携帯カメラを向けながら、隣の乗客が「すごい」との一言。聞けば、シアトルを経由し、さらにアラスカへ向かうそうだ。ユタとはまた違う自然を存分に堪能できるだろう。
気が付けばあっという間に5月も半ばを過ぎた。ノースウエストの魅力あふれる季節が始まる。意気込みばかりで計画はなかなか進まないが、ユタに負けないだけの当地の醍醐味をしっかりと味わいたいと考えている。