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シアトル人口80万人〜一石

By 佐々木 志峰

シアトルに近づく機上から窓の外に目を向けると、今まで気にしたことのなかったものが目に入った。カスケードの森林の中を伸びる一本道。車道ではない。ふとマップアプリで調べてみると、そのラインは郊外の変電所につながる。さらにずっと追うと街の間を通ってタコマの港に辿り着いた。

その始点はどこなのだろう。フリーウェイのI-90を東へ走った途中に風力発電所らしきものがあったことを頭に描きながら、その電線を逆側に追ってみた。そこでは止まらずさらに北東へ伸びる。最終地点はコロンビア川のさらに上流にあるグランドクーリーダム。水力発電による電気供給網だったようだ。

そんな機上で、隣に座る初老男性が話しかけてきた。今は米国が拠点だがもともとは日本から来たことなど自分のことを話していると、「東京に比べればシアトルはまだ人口100万人にならないから、生活でも大きな変化になったでしょう」との声。ただ周辺自治体を加えれば、当地も十分な大都市圏となる。機上から見えるように郊外へ住宅地を切り開く開発も進み、増え続ける人口とともにさらに電力を必要とする生活を送っていることも事実だ。

シアトルの人口は80万人となった。ワシントン州政府機関のデータによると、4月1日段階で81万6600人に達したとの発表があったようだ。前年比で2・4パーセント伸び、1万8900人増えたという。シアトル・タイムズ紙によると、サンフランシスコの人口が今年1月で84万2027人だったそうで、その人口差を着実に狭めている。

参考までにシアトルの人口は2010年国勢調査で60万人ほど、そして2020年で73万人を超えた。それから5年。成長はまだ止まっていないようだ。

飛行機から降り立ったシアトルは出張先だった中西部に負けないだけの暑さがあった。湿気がないことが救い。隣席の初老男性はもともとテキサス州の出身で、7月上旬に惨事となった洪水発生地からも遠くない地域のようだ。話題に挙がった東京も猛烈な雨に襲われたとのニュースが届いた。自身の生活スタイルと気候変動の影響を改めて考えさせられた。