By 佐々木 志峰
1月末から米国を広く襲った寒波の一端を味わった。場所はなんとフロリダ。肌に突き刺さるような強風も交え、体感気温は氷点下。同地に拠点を構える関係者も経験したことのない寒さという。1月から2月に入る、まさに冬の季節とはいえ、シアトルでも普段着用しない厚手の防寒ジャケットを身につけることになるとは思わなかった。
そんな寒さの記憶が、シアトルを包み込んだ熱狂と共に蘇ってきた。NFLシアトル・シーホークスが12年ぶりにスーパーボウルを制覇。晴天の中で寒さに震えながら、ダウンタウンを抜け、本拠地スタジアムに向かう車列を待ち続けた優勝パレード。
街に繰り出した人の数は推計70万人から100万人とも発表された。シアトル・タイムズ紙によると、状況を踏まえた専門家が出した実数として、25万人から45万人とのことだが、いずれにしても、あれほどの人波を当地で目にするのは初めてのことだった。普段よりも早い出社を目指してシアトルに向かった当日。細い住宅路でさえも渋滞ができていたことを覚えている。
今年は残念ながらパレードに行く機会に恵まれなかった。それでも地元メディアによると、今年も前回とほぼ同数という。まさに一大行事だった。
そんなシーホークスにタイ・オカダという選手がいることを知った。日系5世になる。大舞台ではビッグプレーで沸かせるような場面こそなかったが、映像を通じてプレー姿を目にすることができた。
ソーシャルメディアに載ったインタビューによると、父方の高祖父が日本から移民したそうだ。ミネソタで機械工学を学び、同地に根を下ろしたという。海を渡り、米国本土の地を踏んだのはシアトルだったそう。所属チーム含め、当地との縁も感じさせる。
前述のインタビューでは新婚旅行で日本訪問を予定を明かしており、縁者との出会いも楽しみにしているようだった。1世紀も前に始まった移民物語の一つ。何世代過ぎても、海を挟んだ日系のつながりがある。久々に目にして、心温まる思いだった。




