ウマくいくかも!? ラッキーアイテム
By 金子倫子
午年の今年。私の父と弟が午年という事もあり、二人の年齢を考えて何ともしみじみとしてしまう。この数年は、みんなが揃うのはこれが最後かも知れないと、ある種の覚悟をしながらのお正月。とりあえず今年も揃って迎えることが出来た事に感謝。
それはさておき、午・馬に関するジュエリーと聞いて頭に浮かぶのは、ホースシュー。そして馬具からその歴史をスタートさせたエルメス社のアイテムではないだろうか。
まずホースシューだが、馬の蹄鉄をモチーフにしたもので、ラッキーアイテムとして知られている。ブリタニカ百科事典によると、幸運をもたらすアイテムとして認識され始めたのは、古代に遡るとか。U字が月や肥沃、繁栄を彷彿させるからという説。または鉄製である蹄鉄は、鉄の力で邪気を払うと信じられているという説など。U型の開いている部分を上にして、良い運を持ち上げるとか、入ってくるのを受け止めるという意味で、上向きにして身に着けるのが一般的な様だ。調べてみると、さまざまなブランドが幅広い価格帯や素材でホースシューをモチーフにしたジュエリーを作っている。デザインも、凝った物からU字の上部を内側に近づけただけのようなシンプルな物までバラエティーに富む。無骨なボリュームのあるシルバーからゴールドにダイヤモンドなど、同じモチーフを基にしているとは思えない程、趣が違う物が揃う。
馬具から始まったエルメス社だが、今や桁違いの値段のついたバッグ類の方が圧倒的な知名度で、ジュエリーと言えば?と聞かれてパッとその名を思いつく人の方が少ないかもしれない。実は最も知名度が高いであろう「シェーヌ・ダンクル」というデザインは、馬具がモチーフではない。1938年に4代目社長が船の錨の鎖に着想を得てデザインしたとされる。「何で船?」と突っ込みたくなるが、事実で間違い無いだろう。鎖のコマがエルメスのHを模っており、現行モデルで4世代目だという。1938年から60年代の第一世代と言われる物は、現行モデルよりもコマが角ばっていてよりHに近い。この時代のシルバーは800(純銀含有率80%)で、その後に続く俗に言うスターリングシルバーの925(92・5%)とは一線を画す。チェーンのブレスレットやネックレスのバリエーションが多く、アレア、ヘラクレス、アクロバット、などのコレクションがある。調べてみたら、シルバー素材でビンテージ(中古)でありながら300万円強の物も珍しくないし、希少アイテムでは一千万円を超える物までと、金の高騰とは無関係なのにこの値段。

蹄鉄同様、さまざまなブランドでモチーフにされる轡
デザイン的に身に着けやすいのが理由なのかもしれないが、知名度やバリエーションではシェーヌ・ダンクルが圧倒的。しかし馬具をモチーフにしたものも多少ある。現行モデルではないが、ゴールドとシルバーのコンビの、前出したホースシューのデザイン。それに1927年に登場したエルメス初のジュエリーと言われる、轡をモチーフにした一般的にホースビットと呼ばれるデザインである「フィレ・ド・セル」。同じく轡モチーフの「ノジカ」。調べてみれば、馬関連のデザインもそれなりにあると言えばある。さらに掘り下げてみると、基本的にはシルバーのジュエリーだが、当時からカスタムメイドで一部をゴールドにしたり、デザインはそのままに、素材をゴールドにしたりという事がされていたようだ。ビンテージの中にはそういった唯一無二の物もあるので、コレクターが喉から手が出る品がまだまだどこかに眠っていそうだ。
轡が着想のホースビットなどは、グッチ社もバッグやローファーなどに特徴的に使用しており、ジュエリーのラインナップもなかなか充実している。ゴールド素材のブレスレットやリングが25万円程から買えるのは、近年のジュエリー市場を考えると、比較的手が出しやすいと言えるのではないか。
干支に因んだジュエリーアイテムと考えた時、ほとんどない年もあるが、昨年の巳年のヘビや、今年の午年に因んだ馬に関係する物をモチーフとしてデザインしたジュエリーはかなり多様に揃う。幸運を言い訳に、お気に入りを探してみてはいかがだろうか。











