by 佐々木 志峰
最近訪れた米南部の州は最低気温氷点下の世界。一時の凍える日々から気温を取り戻したシアトルよりも厳しい冷え込み。屋外での仕事となり、まさかの寒さを体験した。ニュースを見れば、日本でも3月に入って気温が乱高下。都心での降雪もあったというから驚きだ。
日本の気象庁は、2024年12月から25年2月の冬の期間、各地域で降水量に大きな差があったと報告している。東・西日本の太平洋側は46から47年の統計開始以降で最も雨量が少なかったという。一方で日本海側では、2000年以降で最も降雪量が多い地域もあったとしている。
2月下旬に当地を襲った嵐で、新たな家族が増えたばかりだった知人は自宅が停電に見舞われ、ホテル避難を余儀なくされたそうだ。世界中あちこちで予測を超える天候。3月に入って暖かさを醸し出したと思えば、この原稿を書いている今は窓から見る空は従来の灰色に逆戻りしている。
それでも今回は文字をタイプしていくたび、心が晴れやかになってくる。
桜――。3月となれば開花が気になる時期。米国立公園局によると、今年のピークはワシントンDCで3月28日から31日になるという。ここ数年は3月半ばに近づいていて、昨年は3月17日だった。過去20年を見れば4月にピークを迎える年も多く、それらを見比べると今年は平均並みといえるのかもしれない。
日本では、気象協会が発表した開花予想によると、ほぼ平年並み。北海道など北日本で主に早くなる見込みだそうだ。東京は3月22日で全国的にも早く開花するという。ただ先述の気温の乱高下が影響しなければと思う。
シアトルでは例年3月後半あたりがピークとなってきたが、今年はどうだろう。シアトル・タイムズ紙によると3月中旬から後半の予測だそうで、昨年は3月18日にピークが始まった。これは桜名所となるワシントン大学構内に咲くソメイヨシノの開花時期であって、当地ではほかにもさまざまな桜を、見頃をずらしながら鑑賞できる。レイクワシントン湖畔やボーイングフィールド沿いにずらりと並ぶ八重桜はもう少し遅くなるはずだ。
そして桜の季節といえば、シアトル桜祭・日本文化祭。今年は4月11から13日の3日間、例年通りシアトル・センターでの開催が予定されている