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海外日本人、永住者増〜一石

By 佐々木 志峰

外務省による海外在留邦人数調査統計を見てみた。令和4年(2022年)10月1日段階のもので、在留届を基礎資料とした推計が出されている。対象は日本国外に在住する国籍保持者。在住国と日本の国籍を有する重国籍者も加わる。

推計によると、全体人数は130万8515人。1年前に比べて3万6385人減らし、令和元年(2019年)をピークに3年連続の減少となった。

国別を見ると、米国は前年比で2.6%減だが、それでも全体の約32%を占める41万8842人。続く中国も5.2%減り、10万2066人だった。上位に変化はないものの、オーストラリア、カナダ、英国は人数を伸ばした。

大都市圏はロサンゼルスが約6万5千人で最多。バンコク、ニューヨーク、上海と合わせて人数を落としたが、規模順位は変わらず。ロンドンが5位となり、約9.5%減らしたシンガポールと入れ替わった。カナダは全体で4.9%人数を伸ばしたように、主要各都市で増加。バンクーバーは4.9%増の2万8千人強、トロントは8.5%増で1万8千人強とし、それぞれ8位と13位。

シアトルは前年から6.1%伸ばして1万2580人。2019年、20年は21位だったが、前年に18位、今年は16位へ上がった。ロサンゼルス、ニューヨーク、ホノルル、サンフランシスコ、サンノゼに次いで米国で6番目。今年はシカゴを上回った。これにサンディエゴ、アトランタ、ポートランド、ヒューストン、ダラス、デトロイト近郊のノバイ、ラスベガスが全体50位に入る。

個人的に出張を通じてダラスなどテキサス州に力強さを感じていた。実際にダラスの日本人数は7.6%増と米国都市圏で最大の伸びを示した。あくまで推計だが、シアトルの増加も立派だ。

注目は生活拠点を海外へ移した「永住者」で、20年連続の増加。日本人が徐々に海外に出る流れが続いているようだ。米国も永住者は2.3%伸びて22万3260人。そして中東諸国も同様の傾向にある。緊迫の情勢が伝わる中、愛着を持って海外で生活を続ける人々の気持ちが痛いほど分かる。