2018年冬季五輪平昌大会が開幕した。放映権の関係もあり、競技時間は米国向け。五輪の花形競技となるフィギュアスケートなどは米国夜時間に行われている。
米国在住の我々にとってはありがたいが、時間のリズムが狂う選手たちには大変で申し訳ない思いだ。例えば一般的に日中競技のスピードスケートが夜時間に行われ、夜開催だったフィギュアスケートは競技時間が早まり午前から準備を進める必要に迫られている。
演技や記録にも影響するだろう。また野外競技は、寒さも厳しく、その上、強風も吹き荒れる悪天 候。スキーやスノーボード、あるいはジャンプなどは自然との闘いとなっている。
天候の面においては、近年の五輪は比較的暖かい天候で開催されてきたと指摘する記事を目にした。
8年前のバンクーバー大会を思い出す。関連行事に知人の紹介で出席したことがあったが、当地と天候はほぼ同じということもあり、街中での防寒は必要なかった記憶がある。
日本は銀3、銅2という結果だったが、地元出身の日系スケーター、アポロ・オオノさんが米国選手の冬季五輪での最多メダル獲得数を更新した大会。金融危機の後遺症がまだ見受けられた当地と比べ、バンクーバーの熱と日系社会の力強さに驚かされた記憶がある。
この平昌大会でも日系選手の活躍が見られる。女子フィギュアスケートの長洲未来選手が、国別団体戦で米国女子選手として初めて3回転半ジャンプに成功した。五輪では伊藤みどりさん、浅田真央さんに続き3人目という。また同じくアイスダンスではマイア、アレックス・シブタニきょうだいが出場、日系選手の活躍で米国は銅メダルを獲得している。
日本も負けておらず、12日現在でメダル3つを獲得。今大会はさらに数字を伸ばしそうな気配だ。
開催地の地理的理由から、政治的要素が五輪のテーマとなる平和と調和のムードに加わる話題豊富な五輪大会。また前述のテレビ中継の関係など、「ビジネス」も見え隠れするが、あくまで冬スポーツの祭典として最高峰の競技を見せてもらいたい。
(佐々木志峰)