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アウトドア用品店 REIが過去最高売上を更新

シアトル発祥のアウトドア用品店であるREIは、2017年度売上が26億2千万ドル、組合員が1千7百万人以上に達したと、4月9日の決算報告書で発表した。同日付のプレスリリースによると、過去最高売上高であるという。売り上げの70%をコミュニティーの非営利団体に寄付しており、「最高の売上高で、社会に最高のインパクトをもたらした」としている。

REIは1983年にロイド&メアリー・アンダーソン夫妻(共に故人)が、人々にアウトドアを身近に感じてもらえるようにと、シアトルで生活協同組合として創業。今年で80周年を迎える。アパレルからキャンプ用品まで豊富に取りそろえ、現在は全米各地に150店舗を展開する。会員は最初に20ドルを支払えば、一生涯にわたり組合員として配当金や商品購入時のデイスカウントが受けられる。

同社は一方で、積極的な自然保護や社会活動でも知られる。2017年度には本社、店舗、配送センターで100%再生可能エネルギー使用への切り替えを達成。2020年までに会社からの廃棄物をゼロにする目標も掲げている。新たにマーケティングの一環として行われた「フォース・オブ・ネイチャー」は、女性のアウトドア・スポーツを支援するプログラム。女性向けのアウトドア・イベント開催、女性用の高品質な商品開発などで、女性のアウトドア人口を増やす狙い。実際に同社の従業員の45%、会員の48%は女性という数字も出ている。

雇用においては『フォーチュン』紙が選ぶ「全米で最高の会社トップ100」に21年連続でランクイン。社内でのLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア)教育の機会、性別が差別の対象とならない社内ポリシーを早くに制定した。
オンライン・ショッピングの利用拡大で、苦境に立つ小売業にあり、一線を画す同社。エンゲージメントを高める活動が、新たな顧客獲得につながる結果となった。
(小林真依子)

編集ライター。金融機関で勤務の後、留学のためシアトルへ。毎日の小さな「オモシロイ」を求めて日々シアトルを探索中。テクノロジーの町にいながらアナログを楽しむ関西人。