By 佐々木 志峰
秋が一気に深まった。当地だけでなく、米国各地で――。出張で向かった中西部はまだ当地であれば夏のような気温。それでも、木々が紅葉を始め、秋の色を徐々に漂わせていた。９月末に東南部に襲来したハリケーンの影響で大雨に襲われた街で話を聞けば、その数週間前には華氏１００度を超える酷暑に見舞われたというから、その変化のスピードにも驚かされる。
この季節を迎えると、当地のスポーツは一気にＮＦＬシーホークスへと軸足が移っていく。残念ながら野球のＭＬＢではマリナーズは今年もプレーオフ進出ならず。９月をもって戦いを終え、10月に話題を引っ張ることはできなかった。シーズン終盤で見せた粘り及ばず、前半戦に築いた大きな貯金を守り切れなかった失望の一年となった。
一方で南のカリフォルニアから伝わるニュースは華やかなものばかりだった。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の活躍ぶりは連日驚かされるものばかり。レギュラーシーズンを終え、２年連続本塁打王に初の打点王で二冠。最後まで争った打率は２位に終わり三冠王こそ逃したが、残した成績には圧巻の数字ばかりが並んだ。
前人未踏だったシーズン50本塁打、50盗塁の「50－50」を驚異的なパフォーマンスで達成した日には、ドジャースと関係のない仕事現場でも大盛り上がり。「今日は大谷の日だ。おめでとう！」と言われたほどだった。走り続けた盗塁はその後、59まで数字を伸ばし、マリナーズ時代の２００１年に56盗塁したイチロー氏が持っていた日本出身選手の記録をも抜いていった。
来シーズンには投手復帰も予定し、二刀流復活となれば話題はまた尽きない。日本でのシーズン開幕も決まっている。相手には今季日本選手２人を擁したシカゴ・カブスとなる。
我らがマリナーズとは今シーズン、ロサンゼルスで８月に３試合を戦った。マリナーズはここで痛い３連敗を喫した。来シーズンは９月26日から28日にシアトルで３連戦を予定している。レギュラーシーズンの最終カード。１年後、話題の多い楽しみなシリーズとなっていてほしい。
