By 佐々木 志峰
3月半ば。シアトルで雪が積もった。同じ頃、米東海岸に飛んでいた筆者が味わったのは雷雨。信じられないほどの明るさで、巨大な稲妻が夜空を幾度となく切り裂き、暗闇を走る車中で驚きの声を挙げてしまった。完全に別世界だった。
イラン情勢について連邦政府の記者会見が宿泊先のテレビで流れ、それを横目に朝食を取る。数時間後に目にする仕事現場の光景。もちろんイベントを楽しみに来ているのだろうが、そうした国際情勢に影響される様子はまったくない。シアトルの雪も関係ない。
現在の世界情勢を読み、それを実感できる近場はガスステーションだろうか。全米自動車協会(AAA)のデータを見ても、1カ月、1年前から価格が高騰している。ワシントン州は、カリフォルニア州とハワイ州に次ぎ3番目の高さ。ガソリンなど物価が上がっているとの連絡が日本からも届いた。
そんな3月は女性史月間。各分野で女性による歴史的な貢献や活動を振り返る。日本で昨年10月に初の女性首相が誕生したことも大きな出来事だろう。米国では2024年の大統領選挙でカマラ・ハリス氏が敗れた。女性の社会進出の壁。16年のヒラリー・クリントン氏に続き、「ガラスの天井」をこの国は破れていない。
3月8日の「国際女性の日」に合わせ、イプソス社*による29カ国対象の調査結果が発表されている。「男女に平等な権利を与える国内の取り組み」について、「十分進んだ」との回答は全体で52%。19年の前回調査結果の42%から増えた。内訳は男性が58%で女性は47%だった。
*世界で有数のグローバル・マーケティングリサーチ会社
高市早苗首相を国のリーダーに選んだ日本は、前回の19%から28%に上がった。それでも、調査対象の29カ国で最も低かった。次に低いフランスが39%と差があり、特に女性で「十分進んだ」と感じているのはわずか21%だった。
女性を政治リーダーに持つ主な他国を見ると、メキシコは66%、イタリアが49%。米国は40%で前回の33%から増えたが、全体でまだまだ下位にある。近年の方向性を見ても、いい気配を感じないのが正直なところだ。


