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アジア系食料バンク支援 スワード公園で 25 日開催、 ウォーク・フォー・ライス

毎年恒例となっているチャリティーイベント「 Walk For Rice 」が25 日、シアトル市内スワード公園で行われる。

主催元である非営利団体ACRSはアジア太平洋諸国からの移民や難民に特化、高齢者、身 体、精神障害者への支援、市民権獲得のためのサポートに加え、言語や就業訓練の教室などを運営する。

『Walk For Rice 』は1990年に立ち上がったイベントで、集まった寄付金は、低所得者に向けたフードバンクの食材購入のために使われる。

1年目はビーコンヒルの中国人バプティスト教会から2・5マイルを歩き、参加者45人寄付総額は1800㌦だった。規模は年々大きくなり、現在は歩くだけでなく、野外ライブやダンスパフォーマンスといった文化的演出、アート活動、屋台なども含めた一大コミュニ ティー行事となった。25周年を迎えた去年は約800人が参加し、寄付額は26万6千㌦。 25年で集まった総額は200万㌦になる。

同イベントをサム・ミツイさんと共に立ち上げたハーブ・ツチヤさんは、コミュニティーの寛容さについて語る。

「地元教会会員を含め、たくさんの支援が集まり、寄付をしてくれる。中でも素晴らしいのは個人で参加する人の数が非常に多いことです」

26 年前、ACRS フードバンクに寄付される食糧の多くは、東洋人に向けた食事ではなく、受給者のニーズに適っていない部分があった。ACRSのサービスを知ってもらうと共に、食べなれた米や豆腐、麺など健康的で栄養価の高い食糧を仕入れるための募金がイベント立ち上げにつながった。

ACRSフードバンクの前には毎週水曜日と金曜日、午前 11時半から午後1 時まで、300から400人が列を成す。ボランティアが準備に到着する午前7 時にはすでに列ができているという。「並んでいる人は一 世帯の代表者。それよりもっと多くの人が食料に困っているのです」と話すのは、ACRSで高齢者の栄養と援助を担当するミゲル・サルディ ンさんだ。

受給者の70 %は18 歳以下の子供、もしくは高齢者。去年は通年で5136世帯 に供給された。近年では増加するホームレス支援として炊き出しも行っている。 毎週約600人が訪れ、過半数はアジア系という。

24 年以上フードバンクで食料を受給者に手渡してきたカレン・ザッケルさんは、 「高騰する家賃や医療費などによって、近年は以前より頻繁にフードバンクに訪れる人が増えています」と話す。寄付金で米や麺を購入するのと同時に、地元農家や食料品店に掛け合い、新鮮で栄養価の高い野菜や果実を寄付してもらっている。

Walk For Rice の今年度目標額は27 万5千㌦で、 6 月 15 日現在、約 20 %の5 万5270㌦が集まっている。寄付は6月17 日までにウェブサイトを通じて行うことができる。 詳しくhttp://acrs. walkforrice.org まで。

(記事・写真=大間 千奈美)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。