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あの日の北米報知 第211 回

1958 年1 月13 日号より

第二次世界大戦が終わり、1950年代の日米関係再構築、日系コミュニティーの米国社会での再生のさなかで問題視されたのが、反日プロパガンダを目的とした映画やテレビプログラムなどだった。大戦中に制作された映画など、日系人の立場や理解に影響があるとされた作品の放映中止を日系市民協会(JACL) が求めている。記事によると全米480 のテレビ局に要請したとある。

1958年当時、タコマのテレビ局が手違いで同プロパガンダ映画とされた『ア・クロス・ザ・パシフィック』の放映を決定。JACL 地元支部が放映中止を要求した。要請が放映前日だったため、プログラム変更はかなわず、テレビ局側は放映前にことわりを入れることになったという。

時代が二世、三世へと日系社会が変わっていく中で、米国社会での立場を確立するうえで必要な行動だったのだろう。

(N・A・P)

N.A.P. Staff
北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。