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新型コロナウイルスの感染拡大もあり、コミュニケーションが対面式からほぼオンライン化され数カ月が経つ。仕事でも新たなノーマルに慣れようとする日々が続いている。

様々な地元行事も春先から影響を受け、日系社会でもオンラインでの関連イベント開催へ次々に移行されている。かつての「ノーマル」に戻り、再びコミュニティーが集うことができるのか、不安もよぎる。

当地恒例の夏行事はイベントシリーズ「シーフェア」にまとめられる。例年であれば各所で開催され、賑わいを見せるが、今年は違う。シアトル別院仏教会で行われる盆踊りはバーチャル形式で週末に開催された。定番の人気曲『江州音頭』を各自がビデオ撮影してまとめた映像を配信。それぞれ踊りを楽しむコミュニティー関係者の様子が拝見できた。

タコマ、オーバンの盆踊り行事は8月上旬とある。各行事ともシアトルと同様の形がとられていくと思われる。

スポーツでは地元マリナーズのシーズンが開幕する。Tモバイルパークで行われていたキャンプには平野佳寿投手が合流した。報道によると、6月下旬に大リーグの日本選手として初めて新型コロナウイルスに感染し、参加が遅れていた。本人のソーシャルメディアでは順調に回復したことが明かされ、チームに合流も果たせたのでまずは一安心だろう。

チームはシーズン開始後にテキサス、カリフォルニアに遠征し、シアトルでの試合は31日からとなる。シーズン中は各リーグの西地区チーム同士と対戦するのみで、日本選手による顔合わせは大谷翔平選手の所属するロサンゼルス・エンゼルスと10試合が組まれている。シアトルでは8月4日から3試合が行われる。

無観客の試合に向け、球場では雰囲気を出すべく従来通りの音響も施されているようだ。キャンプでの練習はオンラインで映像配信されているが、ファンとの唯一の接点となる試合中継のあり方も興味深い。

まずは無事安全にシーズンが行われ、選手たちの雄姿がファンの目に届くことを願っている。

(佐々木 志峰)

オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。