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ID安全対策会議 警察に理解求めるコミュニティー  オトゥール署長、巡回警官増員約束

インターナショナル・ディストリクトを視察するオ トゥール市警市長(左)とサントス州下議。

シアトル市内インターナショナル・ ディストリクト(ID)の治安問題について 23 日、コミュニティー会議が和み茶室で行われた。シャロン・富子・サントス州下院議員が音頭を取り、シアトル警察のキャスリーン・ オトゥール署長、シアトル市議会のブルース・ハレル市議長らも出席し、会場には報道陣、コミュニティー関係者含め約 80 人が集まった。   昨年7月23 日、8番アベニューとレーンストリート付近でID救急センター (IDEC)のダニー・チン氏が銃撃を受けて殺害される事件が起きた。地元暴力団の打ち合いに巻き込まれたとみられているが、犯人はまだ見つかっていない。

ID地域の見回りや緊急時の対応を担っていた同氏の死から受けた衝撃はいまだにコミュニティー内にある。生前のチン氏を知る住民らが調査進展を期待するのとは裏腹に、1年を経ても事件解決にたどり着かないシアトル市警側に怒りを見せている。当日もオトゥール署長は、同事件への対応や経緯を説明したが、事件解決については調査段階とするにとどめ、住民に理解を求めた。

会場に集まったID住人、ビジネス、団体関係者の不満は、近年で激変した治安環境を訴えた。 チン氏が周辺地域の治安維持のために尽力していたこともあり、住人の不安は高まりを見せている。

当日の会議でも、IDで警察がパトロールしている様子を見ない。ほかの地域ならできないこともIDでは許されると思っている人がいるのではないかと感じる」、「この2年で地域は激変した。夜10 時になるとこのあたりは本当に恐ろしくなる」という声もあった。

地元団体関係者も、周辺治安の不安を理由に退職を訴える職員の声を明らかにし、IDが抱える問題を市警や政府関係者に強く訴えた。オトゥール署長はID地域を巡回警察官を増員すると約束したが、試行日に関しては「今すぐにというわけにはいかない」と答えるにとどまった。

会議後は「現場を実際に見てほしい」という強い要望を受けて、サントス州下議、オトゥール署長、ボブ・ハセガワ州上議ら約 20 人がキングストリートを6番アベニューからACR SフードバンクのあるI―5高架やジャクソン通り周辺を視察した。

ホームレスが多数生活するI―5高架下の駐車場付近では、視察団にホームレスが野次を飛ばされる場面もあった。「ホームレス問題自体は犯罪問題ではない。その中にいるドラックディーラーなど、犯罪に手を染めている人を見つけ出し、取り締まっていきたい」とオトゥール署長は話し、今後もコミュニティー会議を開催、出席していきたいとの意向を示した。
(記事・写真=大間 千奈美)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。