ダイバーシティ大学
〜プライド月間を通して思うこと〜
筆者:ティファニー・ナカミツ 訳:CharGPT/河野 光
*この記事は2023年6月9日号の北米報知P.3に掲載された記事(定期コラムDIVERSITY DAIGAKU
https://napost.com/2023/voices-0609)を、 ChatGPTによる翻訳後、NAP編集部の河野 光が編集したものです。
多くの人が知るように、アメリカでは毎年6月をプライド月間としています。初めて知った、という方のためにウィキピディアを引用すると、「プライド月間は6月であることが多く、主に欧米諸国で、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア(LGBTQ)などの性的指向や性自認に誇りを持ち、共に祝うことを目的とした期間のこと」です。
これは、1969年6月28日に発生したゲイ解放のための反乱である、「ストーンウォールの反乱」から始まりました。この暴動は、ニューヨーク市マンハッタンにあるゲイバー「ストーンウォール・イン」が警察による踏み込み調査を受けた際、LGBTQ当事者が、初めて警官に立ち向かい抵抗したことから始まりました。この一連の反乱運動は今なお、アメリカにおけるゲイ解放運動とLGBTQの権利に関する社会的位置づけを変革したと考えられています。
プライド月間が意味するのは、虹色の旗だけでも、プライドパレードなどの祝祭だけでもありません。根っこにあるのは、マイノリティーの反乱だということは忘れてはなりません。多くの人が心を熱くする、とても感情的な期間なのです。
そして、私もそのひとりです。
均一化された都市である日本の名古屋に住んでいた私は、13歳の時に自分が男の子だけではなく女の子も好きだということを知りました。この街で育った私にとって、その事実は人生最大の悪夢となりました。
当時、私が異性愛以外を表す言葉で認識していたのは、「オネエ」と呼ばれる女性的なゲイの男性やトランス女性を表現する、蔑称的なものでした。「オネエでもない私は、もっと異常な存在なのだ」そう思っていました。当時の名古屋には、オネエ以外にゲイについての知識や呼び方は存在しなかったのです。
私は仏様にお祈りする機会があるといつも、秘密で祖先に謝罪をしていました。自分はおかしいのだと思い込んでいました。宗教に熱心な家庭で育った私は、ブッダが私を出来損ないに作ったのだと信じていました。誰かに打ち明けるなんて、考えることすらありませんでした。
未だ日本では、LGBTQは広く受け入れられていません。それは非常にタブーな話題であり、大切な家族からの告白であっても理解されることは困難です。なぜ、自分の子がクィアであると分かった瞬間、親は突然その子に出ていけとどなり、土下座をして謝れと言い、永遠に隠れて暮らせと命令するのか−−。
自らが属するコミュニティ内で、知らない、身近に当事者がいないということは、LGBTQというアイデンティティを理解する上で1番の妨げと言えるでしょう。
大学でクィアとバイセクシュアルについて学んだことで、私は自分自身を理解し受け止めることができました。私は謝ることをやめ、キャンパスで出会った自分以外のクィアの学生たちと交流を持ち、精神的に開放され、だんだんと自分に自信をつけることができました。
LGBTQについて学び、サポートの方法を知ることは、当事者の家族や友人ができる最も重要なことです。
日本は、違憲性を理由に同性婚を禁止しているG7諸国で唯一の国です。その結果、2021年には日本のほぼ半数のLGBTQの10代の若者が、自殺を真剣に考えたことがあると報告されています(参照:「ジャパンタイムズ」「毎日新聞」)。日本の自殺率の高さは知られていますがが、2022年には自殺による死者が2万1千881人で、10万人当たり17・5人の自殺者が発生しました(米国では13・9人。参照:「スタティスタ」)。この現実に、私はとても心を痛めています。
友人や家族がもしLGBTQであることを告白してきたら、優しく開かれた心で受け止めてほしい。セクシャル・マイノリティーは確かに存在し、それは一時的な気の迷いなどではないのです。あなたの子どもは、あなたを信頼しているから話しをしているのです。あなたもそれに応えてください。彼らの羽根を切り落とす最初のいじめっ子にならないで。受け入れと共感があって初めて、彼らは本当の意味で輝くことができるのですから。
参照
・www.japantimes.co.jp/news/2022/10/30/national/social-issues/lgbtq-teens-considered-suicide
・https://mainichi.jp/english/articles/20221021/p2a/00m/0na/019000c
・www.statista.com/statistics/622249/japan-suicide-number-per-100-000-inhabitants