Home ニュース スポーツ レインFC、救世主へ 川澄...

レインFC、救世主へ 川澄、宇津木加入 リーグ戦、再開 27 日

米女子プロサッカーリーグ・シアトルレインFCに二人の日本人選手が加入した。宇津木瑠美選手(27)と川澄奈穂美選手(30)だ。7月にチームに合流、主力選手として活躍を見せ、27日に再開するシーズン終盤戦での活躍が期待されている。

川澄選手は日本なでしこリーグ・INAC神戸からの移籍。2014年にレインFCで半年間プレーしており、今回の移籍で約2年ぶりの古巣復帰となる。当時は9ゴール5アシストとチームに貢献し、リーグのベストイレブンに選ばれるなど活躍した。リオ五輪で出場を逃した日本代表では、2011年、15年W杯、12年ロンドン五輪でもチームに大きく貢献した。

同じ競技だがプレースタイルや、重視されることはチーム、国で異なる。川澄選手は「日本には日本のやり方、戦術がある。組織的な部分を大事にしなきゃいけない」と日米間でプレースタイルを使い分けていくことの難しさを語った。「プレーの幅は広ければ広いほど良いいので、ここで得られたものはサッカー人生で活かしていきたい」と意欲も見せた。

レインFCのローラ・ハービー監督は、一般的にフィジカル重視の米サッカーに対し、パスサッカー志向している。クオリティの高いパスに定評がある川澄選手との相性は抜群で、強い信頼を寄せている。川澄選手も、「監督も変わっていないし、戦術も変わっていない。2年前自分がいた時にチームに貢献できた部分は出していきたい」と語った。

サッカー人生、新たなチャンスを

宇津木選手はフランス女子サッカーリーグ、モンペリエHSCからの移籍。在籍6シーズンで101試合出場19ゴールを記録し活躍。現日本代表ではキャプテンを務めている。移籍はハービー監督が「プレッシャーのかかる場面でも選手、対戦相手に関わらず、高いパフォーマンスを見せていた」との評価によるものだ。

南フランスのモンペリエはアジア文化が浸透していない地域だった。シアトルは日本文化も浸透しているためとても過ごしやすい場所だと話す。人種が多様で各々スタイルが異なるフランスと比べ、統率が取れている米国リーグは、プレーがしやすいという。

宇津木選手は「フランスは自分にとってもはや第二の故郷。これからも継続してっていう気持ちもあったが、サッカー人生の後半として、一つのチャンスをもう一度つかもうという気持ちがありました」と語る。「米国という長年世界1位に位置付けられるサッカー大国のプレースタイルや文化について知ってみたかったということもあります」

新チームの雰囲気もなじみやすいようだ。「新しいところに来ると一員になるにはすごい時間かかる。焦らずに、けれど少し焦りながら一味になれるように頑張りたい。得点源として何か勝利するための秘策になれるようになりたい」と高い意気込みを見せる。「この経験を通して自分のサッカー人生を豊かにしていきたい」

シーズン5試合 地元は2試合

レインFCの今シーズンは残り5試合。地元では27日の試合を含め2試合となっている。けが人が多く6位と苦戦するチームだが、プレーオフ出場枠となる上位4位への浮上は十分可能だ。

川澄選手は「とにかくリーグで4位まで入って、プレーオフに出場、今度こそ優勝したい。また優勝するならリーグも1位で優勝したい。でもまずはしっかり一個ずつ勝っていきたい」と語る。

宇津木選手も「新しいチームに来たということで今までの自分の成果だったり成績だったりは気にせず、新しい一人のプレーヤーとしてチャレンジしているので、一つずつ頑張ってクリアしていきたいなと思っています。同時に日本のサッカーを少しでもよくしていきたい」と話した。

2選手の移籍を受けて、当地日本人プロスポーツ選手の活躍に期待がかかる。サッカーでは一人の選手の加入がチームの成績を大きく変えることも少なくない。レインFCが、どこまで巻き返しを図れるのか、注目したいところだ。

(竹田 優香)

N.A.P. Staff
北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。