アメリカの国家通商団体である国民住宅安全評議会(National Council for Home Security and Safety)が、ワシントン州の72の市や町の安全性について、2019年度のランキングを発表した。犯罪発生件数を各都市の人口で割った統計データを基に算出されており、対象となったのは人口1万人以上で発生した犯罪について米連邦捜査局(FBI)に報告している72市町のみ。最も安全な都市の1位はスノコルミー市、続いてウッドビー島オークハーバー市、ヤキマ郡サニーサイド市、ベントン郡ウエスト・リッチランド市、キング郡エナムクロウ市と発表された。ランキングの詳細はウェブサイト(www.alarms.org/safest-cities-in-washington)で確認できる。
逆に、最も安全でないとされたのが、タコマ市の西に位置するユニバーシティープレース市。続いて下位よりスポケーン市、タコマ市、フェデラルウェイ市、ケント市の順で発表された。シアトルは46位で、2018年度の80都市中69位に比べると大幅な上昇となった。
このランキングの犯罪発生率のデータには、暴力犯罪と窃盗犯罪の2種類が含まれており、いずれの犯罪もワシントン州全体の犯罪発生率はアメリカ全体の発生率を下回り、窃盗犯罪に関しては国内で34番目、暴力犯罪に関しては19番目に安全な州であるとされた。
このランキングはワシントン州の住民にとってひとつの指標となることは間違いないが、数字上の分析だけでは実際の安全性を反映できないのではないか、といった指摘もある。人口の小さな町で1件犯罪が起きれば、ランキングの順位はたちまち下降することになり、シアトル市のように人口が多くさまざまな特徴を持つエリアが混在する場合、人口に対する犯罪発生率だけで安全性を測ることは難しい。各市町の規模や特徴なども考慮に入れる必要がありそうだ。
(坂元小夜)