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日本舞踊とパネル・ディスカッションのオンライン・イベント

シアトルで日本の伝統芸能を紹介する非営利団体「ジャパン・アート・コネクション・ラボ」による日本舞踊のウェビナーが、4月22日に開催されます。東京から参加する日本舞踊家の尾上五月(おのえさつき)さんとのパネル・ディスカッションも行われます。

取材:ハントシンガー典子 写真:JACLab提供 

ジャパン・アート・コネクション・ラボ(以下JACLab)は、年に1度、日本伝統芸術伝承者を日本からシアトルに招き、実演や講演を通して日本伝統芸術を紹介してきた。昨年は日本舞踊家、尾上五月さんによる実演をブロードウェイ・パフォーマンス・ホールで予定していたが、このパンデミックで中止に。今年は尾上さんの協力を得て、JACLab初のオンライン・イベントを開催する。

JACLab役員そしてボランティア。左から2人目が代表を務める遠山さん

「コロナ禍が長引く今だからこそ、地域の方々に文化を紹介するイベントを提供したいと考え、オンライン配信に初めて挑みます。より多くの方々が日本舞踊に興味を持つきっかけとなることを願っています」と、JACLab代表の遠山美津子さん。「オンラインのため、観客が受け身になって、退屈にならないように工夫しました。観客と演者との生の交流を大切にしたいので、10分間の日本舞踊実演録画以外は全て、東京とシアトルをつないだライブ配信です」

尾上さんは幼年からクラシックバレエを始め、宝塚音楽学校在学中に日本舞踊に魅了され、日本舞踊家を目指すようになった

イベントの目玉となるパネル・ディスカッションは、さまざまな方向から日舞を語る場となる。まず、尾上さんとインタビュー形式で日本舞踊を紹介。それを導入とし、シアトルを拠点に活動する舞踊家2人を交えてパネル・ディスカッションを行う。最後に質疑応答の時間を設け、観客は日本舞踊について、さらに深く知ることができる。 

宝塚歌劇団を退団後、尾上流師範を取得し、尾上五月日本舞踊教室「さつき会」を設立した尾上さんは、海外での公演活動にも、ワシントンDCの全米桜祭りやギリシャ・アテネ万博の日本館での日舞公演など積極的に参加してきた。「今回のイベントは幸運にも2団体から助成金を受けられたため、無料での開催となります。この機会に、幅広い年齢、地域の方々に参加してもらえればと思っています。尾上さんのファンの方、日本舞踊に興味のある方はもちろん、日本舞踊をよく知らないという方やほかの舞踊を学んでいる方も、このイベントから新しい発見をしてもらえたらうれしいですね」と、遠山さんは話す。

尾上さんが披露する美しい踊りに注目

2014年の設立以来、減少傾向にある日本の伝統芸能をシアトルから広め、次世代に継承することを目標に尽力するJACLab。これまで、宮内庁の楽部トップとして雅楽を統括する東儀博昭さん、地唄の銀明会三代目家元である藤井泰和さん、少女漫画のパイオニアとして知られる萩尾望都さんを始め、観世流能楽師、日本染色家、元宝塚歌劇団グループなどと共にイベントを開催してきた。コロナ禍のため、来年度の計画は未定だが、事態収束後の活動に向けて準備を続けている。「オンラインでたくさんの方々がイベントに参加してくださることは、演者や私たちにとって、今後のボランティア活動の大きな励みとなります。中身の濃い60分間を、家族やお友だちと一緒に、たっぷり楽しんでください」

Nihonbuyo “Poem Through Dance”Nichibu Japanese Dance Introduction and Panel Discussion

日本舞踊家、尾上五月さんによるパフォーマンスとライブトークをオンラインで配信。日本の伝統芸能に詳しい人も、そうでない人も楽しめる内容となっている。参加を希望する場合は、下記ウェブサイトより要登録。定員は500名を予定。プロモーション動画
https://vimeo.com/523963828/11cbc8a81fhttps://vimeo.com/525065971/4502ad6547)もチェック!

日程:4月22日(木)7pm~8pm
料金:無料
問い合わせ:flowersanseattle@gmail.com(日舞イベント事務局)
登録先・詳細:www.jaclab.org

ソイソース編集長。エディター、ライター、翻訳家として日米で18年の編集・執筆経験を持つ。『マガジンアルク』『日本経済新聞』『ESSE オンライン』など掲載媒体多数。2017年から現職。