Home コラム 一石 岩隈投手は巨人へ

岩隈投手は巨人へ

昨シーズン限りでシアトル・マリナーズを退団した岩隈久志投手が日本の読売ジャイアンツと契約した。まずは所属球団が決まり一安心だろう。

スプリングトレーニングから復帰へ向けて懸命のトレーニングを続けてきた姿、シーズン終盤にチームがお膳立てした始球式後に「投げたい」という気持ちを改めて発した姿を思い出す。力強い復帰をただ願うばかりだ。

そのマリナーズは2018年シーズンも再びプレーオフを逃し、このオフでチーム主力の大幅入れ替えが行われている。来シーズンがどのような顔ぶれになるか全く予想がつかないが、毎年ジャパンナイトを開催して支え続ける地元コミュニティーにもさらなる辛抱が待ち受けるだろうか。

一方で来シーズンは日本で開幕戦を迎える。今シーズン途中から球団特別補佐として選手枠を外れたイチロー外野手も選手として凱旋、晴れ姿を見せる機会となる。大リーグ移籍を目指す菊池雄星投手の獲得にも動いているとされ、シアトルの地理のみならず、「日本から一番近い」チームとしての話題は欠かさない。

米国スポーツで今冬の日本選手に目を向けると、男子バスケットボールが注目のようだ。大学バスケットボールでは八村塁選手がワシントン州東のスポケーンにあるゴンザガ大学の中心選手として活躍。5日にはワシントン大学を破った。ゴンザガ大学は全米ランキングで一時1位となり、八村選手も将来のNBA入りが期待されている。

そのNBAではメンフィス・グリズリーズと契約する渡辺雄太選手が今シーズン2試合に出場(9日現在)。残念ながらシアトルにNBAチームがなく、最も近場にあるチームは隣州のポートランド・トレイルブレイザーズになる。グリズリーズはトレイルブレイザーズと12日に地元で対戦、19日にポートランドを訪れる。

ポートランドでの次の対戦は来年4月3日。そのころにはマリナーズも新たなシーズンを迎えている。イチロー外野手の動向を含め、岩隈投手を継ぐコミュニティーにおける「シアトルの顔」となる新たな姿にも期待したい。

(佐々木 志峰)

オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。