ノースウエスト地域で発生する可能性のある大地震と、それに伴う津波発生を想定した震災対策訓練が、7日から10日まで実施される。
Cascadia Rising 2016 と称したプログラムでは、ワシントン、オレゴン、アイダホのノースウエスト3州を対象に、連邦政府機関、軍、各自治体災害対策部から約2万人が参加する。同地域では最大規模の災害対策訓練で、 各機関の連携を図り、 大震災発生時の被害を最小限に抑えるのが目的となる。
ジェイ・インスリー知事は、大震災に備えできるだけの準備を行う必要性を強調。シ アトル市も災害対策センターを中心に訓練に参加している。エド・マレー市長は先月に姉妹都市神戸を訪問し、1995年の震災の被害、復興、教訓を前に、「人命を救うため、災害復興の道筋を整えるのは市政の義務」と述べている。
太平洋沿岸には、カ スカディア沈み込み帯と呼ばれる断層が走り、将来的にマグニチュード9レベルの大地震発生が予測されている。同規模で発生した際には死者は1万3千人に達するとされる。
1700年に起きたカスカディア大地震では大津波が沿岸を襲い、当時の傷跡が現在も残る。津波は日本までたどり着き、 文献資料が多く残されている。
7日付の地元テレ ビKING5では、関連機関の訓練のみならず、一般住民の準備も重要と伝えている。震災時、支援準備が整うまでの猶予として、3日分の食料、水などを用意する必要があるという。
(N・A・P)