2020年アメリカ国勢調査開始。
シアトル市がマイノリティー・メディアへ15万ドルの助成金
2020年のアメリカ国勢調査に関連して、シアトル市はマイノリティー住民向け媒体へ総額15万ドルの助成金交付を行う。今年の国勢調査は10年に1度の大きなもので、集計された各地域の人口構成などのデータは、連邦政府や地方自治行政の政策決定に活用される。アメリカでは、移民、難民、低所得者、LGBTQなどのマイノリティー住民の参加率が低い傾向があることが問題視されている背景から、こうしたマイノリティー住民向け媒体への補助が決定された。
「マイノリティー住民が必要とする政策の予算確保のためにも、国勢調査に参加して欲しい。(人口構成や所得など経済状況含め)マイノリティーの人々の実情が国勢調査に反映される必要があります」と、ジェニー・ダーカン市長はその意義を説明する。シアトル市のインフラ整備や教育・医療関連へ対する連邦政府からの交付金も、国勢調査の結果を基に決定される。
助成金を受けるのは公募から選別された市内の22媒体で、マイノリティー住民によって運営される媒体が中心になっている。各媒体は市の協力を受けながら、一般メディアでは情報が伝わりにくいマイノリティー住民の国勢調査参加を促していく。本誌も助成金を受け、3月から数カ月にわたり、2020年国勢調査の基本情報を掲載していく予定だ。シアトル市による国勢調査に関する情報は公式サイト(www.seattlecensus.org)から見られる。
(中川 栞)