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ウエストレイクで保守派グループの集会が暴徒化

ワシントン州とカナダのバンクーバー地域を拠点とする愛国主義団体パトリオット・プレイヤー (Patriot Prayer)が、8月13日にウエストレイクで集会を行った。パトリオット・プレイヤーは、偏向的な保守主義思想と愛国主義思想を掲げており、白人至上主義団体と見なされている。一方で、同団体を率いるジョウィー・ギブソン氏は自らを日系アメリカ人であると表明し、集会前日にバージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者の集会とは無関係であると主張している。3人の死亡者を出したシャーロッツビル事件と同様に、集会はパトリオット・プレイヤーのメンバーとそれを超える人数の集会抗議者が衝突し、暴力へと繋がる結果になった。
13日の集会は事前予告されたため、ギブソン氏率いるパトリオット・プレイヤーのメンバーは駆け付けた大勢の抗議者に取り囲まれた。抗議者は、「Black Lives Matter (黒人差別反対)」や今年6月にシアトル市警官によって殺害された女性のシャーリン・ライルさんの名を叫ぶなどして集会に反対した。ほとんどのデモが平和的に行われたものの、両者のうち3名が暴行や凶器所持で逮捕されたとシアトル警察は伝えた。
ギブソン氏はパトリオット・プレイヤーのフェイスブックページなどを介して、昨年カリフォルニアで起きた反トランプ・デモにおける暴力事件に影響を受けたと伝え、「西海岸における保守派への偏見をなくしたい」と訴えている。同集会では、ギブソン氏は「昨年夏にオハイオ州クリーブランドで行われた(トランプ氏が共和党の正式な大統領候補として指名された)共和党大会を思い出した」と語った。共和党大会の当日には多くのリベラル主義者たちが周辺に集まり抗議デモを行った。ギブソン氏は、こうしたリベラル派の人々を「共産主義者」と非難し、「クリーブランドでは多くの講義デモが行われた。多額の資金が動かされて計画的に行われたのだ。共産主義者の狂った集まりだ。デモ看板の殆どは大きな政府(より多くの税金を集めて手厚い公共サービスを提供する政府)をめざせと訴える内容だと私は気づいた。金持ちから税金を取って貧困者へ分配しろと。ワシントンDCで働く官僚なら歓迎する内容だろう。皆から税金を巻き上げて、あらゆる規制を作って、集めた金を誰に分配するか選ぶ仕事が増えるんだから」と集会で主張した。ギブソン氏とその集団は、警察の機動隊に護られながらも退場を命ぜられ、集会は終わりを遂げた。
(文=ブルース・ラトリッジ 取材=島涼介)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。