片道利用が可能なカーシェアリング・サービス「Car2go」が、シアトル・エリアでの提供車種を全て4人乗り以上のモデルに刷新する。現在、ブルーとホワイトのシンボル・カラーが印象的な2人乗り電気自動車「Smart」を始め、メルセデス・ベンツのセダン、SUVの計3車種でサービスを展開している。
Car2Goは、ドイツの自動車メーカーのダイムラー社が2008年に開始したサービス。同年にはダイムラー社の子会社としてCar2Go社が設立され、2010年にテキサス州オースティンを皮切りにアメリカでもシェアを拡大してきた。コンパクトながらスーツケースも収容できること、また環境に配慮した点から車を持たないエココンシャス層や旅行客を中心に利用者が多い。
「シアトルには10万人以上の会員がおり、アメリカで最も大きな市場です。また、現在は会員の多くが4人乗り以上の車種を選択しています」とCar2Go社エリア・ディレクターのデイビッド・ホルツァー氏はプレスリリースでコメント。今年の末ごろをめどに、最大5人乗りのメルセデス・ベンツCLAクラスおよびGLAクラスで統一される。死角にある障害物を検知するブラインド・スポット・センサーにリアビュー・モニター、電子制御ブレーキ・システムなど、最新の安全運転支援システムも搭載されている。先月10月5日にはアマゾン社の音声認識技術「アマゾン・アレクサ」との連携も発表し、コンピューターやスマートフォンを開くことなく音声コマンドでの予約も可能になった。
カリフォルニア大学バークレー校の研究で、カーシェアリング1台の利用につき道路から11台の車が減らせると発表されている。近年、シアトルのような都市部で増え続けるカーシェアリングの需要。自動車メーカーによる環境と社会に配慮した挑戦からますます目が離せない。
(文:小林真依子)