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日本酒海外展開目指し 「クールジャパンの主力商品」 海外最大市場の米国でPR

日本酒の海外展開を図り、日本から酒造組合、酒蔵関係者が当地を訪れた。在シアトル総領事館公邸で20日、日本酒の講演と試飲会を開き、日本食材を扱う食品、レストランなど約120人が参加した。

当日、大村昌弘総領事は「日本酒はクールジャパンの主力商品の一つ」と説明。イベントを通じ、「(日本からの酒蔵関係者と当地の関係者との間での)交流を楽しんでもらえれば」と述べた。

また日本酒造組合中央会の海外戦略委員会長を務める増田德兵衛氏のあいさつに続き、同会の濱田由紀雄理事が「日本酒」を取り巻く環境や、酒造りの工程などを説明した。

またシアトル市内にある酒蔵「CederR i v e r B r e w i n gCompany」の宮城幸子氏から、酒の楽しみ方に関する講演が行われた。健康だけではなく環境にも優しいこと、スパークリングやにごりなど様々な種類があることや、実際に合う食べ物などが紹介された。

日本からは酒蔵12社が参加。30種類以上の日本酒が用意され、出席者は講演で食べ合わせが良いと紹介された料理とともに試飲を楽しんだ。

イベントを通じ、同組合中央会の増田氏は、「季節によってさまざまな組み合わせができる日本酒を、海外の人にも楽しく勉強してもらいたい」と語った。

日本酒造組合によると、ここ3 年、海外での日本酒需要は伸びを見せている。中でも米国が日本酒の海外売り上げ高で最大で、今後も大きな市場として期待されている。

また日本の国税庁は昨年12月、「地理的表示『日本酒』」を指定した。「原料の米に国内産米のみを使い、かつ、日本国内で製造された清酒のみが『日本酒』を独占的に名乗ることができる」というもので、日本酒のブランド力強化や品質のPR効果が期待されている。

一方で当地関係者からは、「日本酒を仕入れる工程が結構複雑なので、気に入った銘柄があっても、仕入れが難しいことがある。もっと気軽に買えるようになれば」との声もあり、海外市場を拡大していく上での課題も伺えた。

(岩崎 史香)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。