Home ニュース スポーツ 「プレイで恩返しを」 WN...

「プレイで恩返しを」 WNBA、渡嘉敷選手 コミュニティーで応援団

女子バスケットボールWNBAの2016年シーズンが開幕。地元シアトル・ストームは22日、市内キーアリーナで昨年の覇者ミネソタ・リンクスとの地元開幕戦に臨んだ。昨年に続きチームに所属する日本代表の渡嘉敷来夢選手も出場、接戦の中で守備で奮闘しチームを支えた。チームは71―78で敗れた。

地元日系社会からも渡嘉敷選手の応援のため、観客席の一角に集まり声援を送った。シアトル日本商工会から約100人、JETプログラム同窓会パシフィックノースウエスト支部からも多数が集まった。

試合前後での選手との交流は特に行われなかったが、渡嘉敷選手は「みなさんの応援があって私たちもプレイできるので、逆にプレイを見てもらって恩返ししたい」、「シアトルにいる日本人はみなさんファミリーみたいなものなので、本当に心強いです」と笑顔で語った。関係者によるとチームと日系社会による「ジャパンナイト」イベントが8月末の試合で企画されている。

チームの成長、確かな手ごたえ

チームにはドラフト1位の有望選手ブリアナ・スチュワート選手が加わり、将来の柱となる選手たちを軸に世代交代を進めている。成果は確実にみられ、昨年の優勝チームに対しても、試合終盤まで激しい抵抗を見せ接戦を演じた。上位チームに太刀打ちできなかった昨年のチームからの成長ぶりを指摘する地元記者もいた。

一方、ローテーション制を採用し、各選手ともに出場時間が与えられていた「若返りへ向けた過程」の昨年から、スチュワート選手と2年目のジュエル・ロイド選手の両輪を軸に据えてチーム構成に臨んでいる傾向も見られる。昨シーズン後半でレギュラーに定着した渡嘉敷選手だが、スチュワート選手の加入もあり、今シーズンはベンチスタート、出場時間も平均14分弱にとどまっている。

一方評価の高い守備力と走力でチームの流れを変える役割を求められており、22日は試合終盤にプレー、控えでは常に第一オプションとなっている。渡嘉敷選手も「やるべきことをやって、ここでしっかり結果を残したい」と語る。同試合では出場時間18分で4得点、2リバウンド、1ブロックだった。

ジェニー・ブーセックHCも「日本とは状況が違っても、常に準備をして試合に貢献できる。チームに大切な選手」と語り、変わらぬ期待と信頼を寄せているようだ。

WNBAは9月までレギュラーシーズン、その後プレイオフが行われる。7月末からの約1カ月は五輪期間でオフとなる。関係者によると地元日系社会とストームによるジャパンナイトも8月末に企画されている。

(記事・写真佐々木 志峰)

オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。