ソフトウエア開発販売大手のマイクロソフト社は、ゼネラル・エレクトリック(GE、本社:コネチカット州)との風力エネルギー開発プロジェクト一連の契約に署名した。多国籍テクノロジー企業としては世界初。アイルランドにあるGEのタラヘンネル風力発電所から15年間、全ての電力を購入する契約(PPA)を結んだ。内容の一部には、エネルギーと水の消費量を大幅削減するための技術開発と、次世代の再生可能エネルギーについての研究が含まれている。
テクノロジー関連企業のクラウドサービス競争が激化する中、マイクロソフト社はデータセンターで使用する電力をクリーンエネルギーにしていくという環境問題に取り組む方針を示していた。タラヘンネル風力発電所からの電力も、主に欧州地域にある同社データセンターの電源に充てられる。マイクロソフト・データセンター戦略ゼネラルマネジャーであるクリスチャン・ベラディ氏は、「今契約で長期に渡る投資と、関係各位とのパートナーシップを深めていける。環境に優しいエネルギーをコミュニティーにもたらすだけでなく、企業が風力エネルギーのような電力資源に可能性と信頼性を見出す、革新的な要素を含んでいる」とプレスリリースで述べた。
プロジェクトでは、電力発電装置のひとつであるタービンに新しく開発された蓄電池が組み込まれる。GEの共同開発となるこの蓄電池には、余った電力を備蓄し、必要な時に発電所に戻せる機能が備わる。また、GEの発電技術を結集した電力供給量と需要量を予測するシステムも導入。電力供給が不安定になるのではという懸念を減らし、再生可能エネルギーの持続供給を目指していく。
(小林真依子)