Home 日系移民の歴史 デイ・オブ・リメンブランス...

デイ・オブ・リメンブランス 課題抱える社会、75年前と今

第二次世界大戦で米西海岸沿岸部からの日系人強制退去の引き金となった大統領令9066号発令から75年を迎えた。発令日の2月19日前後に当地を含む各地で関連行事が開かれた(写真英語1面)。

キング郡、シアトル市両議会は21日、日系関係者が参列する中で同日を「大統領令9066号発令から75年目」とする宣誓を行った。キング郡議会には日系市民協会、デンショー、ワ州日本文化会館、二世復員軍人会関係者らが出席した。日系人強制退去に抵抗、キング郡拘置所に抑留されたゴードン・ヒラバヤシ氏の直筆の獄中日記や資料なども披露された。ワシントン州上、下議会は15日にデイ・オブ・リメンブランス会議を実施、議決案を採択している。

大統領令9066号は前年末の日米開戦を受け、軍に米西海岸沿岸部の特定地を管轄地とする権限を与え、後の12万人の日系人強制退去の起因となった。同政策は40年後の調査で「人種偏見」「戦時ヒステリー」「政治指導者の失政」からくるものと非難された。
ワシントン大学では18日、ユダヤ関係者も協力、ナチスの強制収容政策と日系人の強制収容、抑留の背景や違い、こうした政策の起因となる政治情勢や一般感情などが講じられた。19日にはシアトル大学で恒例の太鼓公演が開かれ、新しく発足した太鼓団も出演するなど会場は熱気で包まれた。
またシアトルセンターでは同日、日系人収容所政策を振り返りながら、移民政策やイスラム教関係者が直面する現状を論じ合った。関係者によると約1500人が参加。これまでのデイ・オブ・リメンブランス関連行事で最も参加者が集まるなど、節目となる75年に加え、現代社会につながる大きな議題として注目を集めた。

(N・A・P)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。