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日系人ピュアラップ収容から75年 ワシントン・ステート・フェアで記念式典

日系アメリカ人市民同盟(JACL)ピュアラップ・バレー支部による記念式典が9月2日に、ワシントン・ステート・フェア内部に設置されたコカコーラ・ステージで開催された。ピュアラップは、第二次世界大戦中にミニドカ収容所へ強制収容された日系移民約7600人が、ミニドカ送還前に約4か月間に渡って一時収容された場所だ。同式典は、収容から75年目の節目として開催され、当日の会場には当時収容された日系アメリカ人を初め、1000人以上が参加した。
ステージにはKING5でニュースキャスターを務めるローリー・マツカワ氏とDENSHO創立者であり現会長のトム・イケダ氏が登壇した。イケダ氏は、ピュアラップに収容された日系2世のフランク・ヤマシタ氏から聞いた、第一次世界大戦中に同じように強制収容されたドイツ人の先生がヤマシタ氏に会いにピュアラップ収容所を訪問したという話を紹介。その先生はヤマシタ氏に「あなたとあなたの家族、日本人は何も悪いことをしていない」と伝えるために来たという。イケダ氏は、「トランプ政権以降、人種や民族の問題がこれまで以上に浮き彫りになる中、声を大にし、いま迫害を受けている他の人種や民族を勇気付けることが大切」と訴えた。
式典に足を運んだ参加者の一人であるポール・トミタ氏は、「皆が一体となって助け合い、このようなイベントに今でも大勢の人々が参加をするのは日本人ならではだ。辛いこともたくさんあったが、日系アメリカ人であることを誇りに思う」と語った。
式典後には、収容された人々の名前が記された幕がジョージ・ツタカワ氏が創作したモニュメントの前に飾られ、このような悲惨な出来事が二度と起きないよう祈りが捧げられた。
(野口大貴)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。