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インスケープアートでオープンスタジオ 日本人照明アーティストの木下有理さん作品も

インターナショナル・ディストリクト内にあるインスケープアート(Insacape Art)のオープンスタジオが8月5日に開催される。インスケープアートは、地元アーティストの創作活動の場として、2010年に旧移民局ビルを改築して開設された。建物内部には125室のアートスタジオがあり、芸術活動をする個人や非営利団体へ低料金や無料で貸し出されている。現在は約100名程のアーティストがインスケープアート内で活動しており、5日のオープンスタジオには約50名のアーティストが参加する。

シアトル在住日本人照明アーティストの木下有理さんも同オープンスタジオに参加。新作「イルミネーションの木」の展示をする。有理さんは、インスケープ・アートの「artist-in-residence」プログラムに参加し、6月からの2か月間に渡ってビル内のスタジオで創作活動を行ってきた。発表を8月5日にインスケープアート(Inscape Art)にて行う。「今回の作品は力強く、堂々としたシアトルの巨木を見てひらめいた」と有理さん。有理さんの作品には光を含むのが必要不可欠。「木の幹には白熱灯を使い暖かさを表現。木の地面に近い部分には地面から力が湧いてきていることをイメージしてろうそくのような電気照明を使用している」と有理さんは説明する。「あまり作品にLED電球を使うことはない」と話す有理さんだが、今回は枝の部分に4800個のLED電球を使用する。さらに、愛知県のシルクメーカー丸杉が提供する繭を使い、彼女の故郷である京都でお正月に飾られる餅花を再現するという。葉吹雪を木の上から散らす演出も予定しており、「噴水のように湧き上がり、華やかで暖かみのあるような作品を目指して制作した。木の下に行くと、まるで愛に包まれているような幸せな気分になって欲しい」と有理さんは話す。新作「イルミネーションの木」は5日の発表前は写真は公開されない。「実際に見ないと作品の良さ、イメージが伝わらない。是非見に来てほしい」と有理さん。

8月3日から6日に渡って、センチュリーリンク・スタジオでも今年で3年目になる「シアトル・アート・フェア」も大規模に開催される。シーフェアにあわせて、アートでもシアトルの街が盛り上がる週末になりそうだ。

(岡田みなみ)

関西学院大学文学部史学科3年生。IBP留学プログラムに参加し、ベルビュー・カレッジで1年間を過ごした後、日本帰国前に北米報知社で2か月間のインターンを行う。