取材・文:松崎 慧
第二次世界大戦中にユダヤ人支援の人道活動を行った日本人外交官、杉原千畝氏を記念するイベントが9日、ブレインメモリアル・ユナイテッドメソジスト教会で行われた。
故杉原氏は、1900年岐阜県に生まれ、第二次世界大戦直前にリトアニアの在カウナス日本領事館領事代理に着任。赴任中の1940年、ポーランドからナチスによる虐殺を逃れてきたユダヤ人に、日本外務省の訓令に反して2000通以上のビザを発行し、6000人以上のユダヤ人の命を救ったことで知られる。
「Conspiracy of Kindness: You’ve Given Me Life」と題された当イベントには、200人以上が参加。日系三世の作家、ケン・モチヅキ氏による講演の後、日本・韓国・ハワイにルーツを持つストーリーテラーのアルトン・タキヤマ・チャン氏が杉原氏を演じ、当時の情勢と自身の家族や、ビザ発行の決断に至った経緯を杉原の視点から語った。
その後のパネルディスカッションでは、チャン氏、モチヅキ氏の他、日系三世の作家ロリ・ツガワ・ウェイリー氏、シアトルのホロコーストセンターの職員ディー・サイモン氏らが登壇した。登壇者は、それぞれの専門分野から、杉原千畝の生涯や武士道の精神、妻・幸子や家族との絆、杉原からビザを受け取って虐殺を逃れた人々のその後の人生について、杉原と同じように当時ユダヤ人救助に尽力した人々について語った。