ジェニー・ダーカン市長は2月20日、レニア・ビーチ高校で行われた同校講堂の改装記念式典に出席し、シアトルの公立校に通う高校生へのオルカカード年間パス(交通定期券)無料配布を発表した。シアトル公立校を卒業し、市内のコミュニティー・カレッジに進学する生徒の学費をサポートする、シアトル・プロミス・スカラシップの奨学生にも同様に配布される。市がシアトルの公立高校、キング郡メトロ、シアトルの各大学、シアトル運輸省と提携し実現した。
現在、シアトルの公立高校へ通う生徒は約1万5,000人。無料パスは、学校から2マイル以上離れたところに住む生徒にのみ提供されている。6歳から18歳は1回の運賃が1.5ドルの割引運賃となる「オルカ・ユース・カード」が使える。無料パスにより少なくとも1人の高校生がいる家族は、1学期につき約540ドルの節約になるとしている。
無料パスの配布決定の理由について、ダーカン市長は市の物価上昇が家計を圧迫している状況を挙げた。「無料パスの配布は、家計の節約と生徒の交通サポートにつながる。各機関とのパートナーシップにより、住む場所や成績などに対する生徒たちの心配を軽減できる」と、スピーチで述べた。
無料パスはシアトル市内を中心とした、以下の公共交通機関で有効:キング郡メトロ、キング郡ウォータータクシー、シアトル・ストリート・カー、サウンド・トランジット、コミュニティー・トランジット、ピアース・トランジット、キットサップ・トランジット、エバレット・トランジット。
(小林真依子)