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年頭挨拶 : 内閣総理大臣 岸田 文雄 

提供 内閣広報室

米国にお住まいの日本人、日系人の皆様、令和6(2024)年の年頭に当たり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

長引くロシアのウクライナ侵略に加え、中東で新たな危機が生じ、世界は戦後最も不透明かつ不安な時代を迎えていると言っても過言ではありません。食糧・エネルギー問題、感染症、気候変動などのグローバルな課題も、私たちの生活を直接脅かしています。

先の見通せない時代にあって、岸田内閣は、「変化の流れを絶対に逃さない、掴み取る」という覚悟の下、コストカット型経済からの脱却、少子化対策やデジタル化、そして世界を分断・対立ではなく協調に導く外交に、力強く取り組みます。

明治維新、戦後復興、高度成長。変化を「力」に変えれば大きな変革を実現できることは、日本の歴史が証明しています。世界各地でご活躍される皆様が、「明日は今日より良くなる」と信じられる時代を切り拓くため、皆様と手を携えて前進してまいります。

昨年5月、G7議長国として広島でサミットを開催いたしました。G7首脳はもとより、ゼレンスキー大統領を含め世界各国首脳を被爆地広島にお迎えし、「核兵器のない世界」に向けて取り組んでいく決意を改めて共有しました。首脳会談を行ったブラジルのルーラ大統領からは、日系社会に対して大変敬意を有している旨の発言がありました。世界各地において信頼と尊敬を勝ち得てこられた在留邦人・日系人の皆様のこれまでの歩みに、改めて思いを馳せ大きな感銘を受けるとともに、大変誇らしい気持ちになりました。

在留邦人・日系人の皆様による日本の文化や魅力の発信、米国の方々との交流は、日本と米国とを結びつける絆をさらに強く、そして友好親善をより深化させることに貢献しています。これは世界を分断・対立ではなく協調に導くという日本の立場と一致するものです。在留邦人・日系人の皆様と政府とが手を取り合い、ともに両国の友好関係の促進を進めていくことができればと思いますので、引き続き、お力添えをいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

最後に、皆様の御健勝と御多幸、そして一層の御活躍を心から祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

令和6(2024)年 元旦  内閣総理大臣 岸田 文雄

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。