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ニューノーマル

ニューノーマルという言葉が聞かれるようになって久しい。新型コロナウイルスの感染拡大でこれまでの生活が一変。ワシントン州では7日からレストランなどビジネス店舗内でマスク着用が義務化された。
マスクはなかなか奥深い。市販のものだけでなく、オンラインでは手作りマスクの説明も多岐にわたる。何とか息苦しくならないように、夏の暑さに少しでも対応できるように、耳のフックの具合に違和感がないように。街中で、仕事場で工夫を凝らした手作りマスクを着用する姿が見られる。
予防対策となる徹底的な消毒。ソーシャルディスタンシング。外出後の手洗いやうがいはもちろんのこと、すぐに着替え、シャワーを浴びる。それぞれの生活スタイル、仕事に加え、文化の違いもあるだろうが、ニューノーマルは着実に浸透している。
大リーグが7月下旬に開幕することが決まり、地元マリナーズも3日からキャンプを再開させた。練習会場は地元本拠地のTモバイルパーク。道路を挟んで建つセンチュリーリンクフィールドも利用して練習が行われている。球場での様子はチームのソーシャルメディアを通じて見ることができる。
選手たちはグループ分けされて、球場での滞在時間も決められている。マスク着用で練習する選手も多い。入れ替わる際にはベンチを含め、手が触れたすべての場所で消毒作業が行われている。これもニューノーマルだろう。
予防対策はメディアも同じ。人数制限を含め、現場は厳しくルール付けされている。入り口での体温検査、移動可能な場所、すれ違わないように進路は一方通行と厳しくルール付けされている。ソーシャルディスタンシングは絶対。新たなニューノーマルがお互いの理解と協力のもとで徹底されている。
今秋に始まる大学の新学期では、オンライン授業のみを受講する留学生の米国滞在が許されないとのニュースがあった。ビザの条件などは不定期で変わるが、授業形態なども今後ニューノーマルの中で変わっていくのだろう。人の動きを含め、あらゆる要素で分岐の1年を迎えている。

オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。