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メトロバス 2030年までに オール電化バス充電基地の設置

ワシントン州キング郡のダウ・コンスタンティン長官は、6月26日、キング・カウンティー・メトロのオール電化バス充電基地を持つ新たな拠点を、早ければ2030年までに設置し、運営を開始すると発表した。

候補地は、キング郡南部3カ所に絞られている。現在、キング郡内ではシアトル市内を含む中央キャンパス、タクウィラの南部キャンパス、ベルビューなどを含む東部キャンパス、北部ベースの4拠点が稼働している。拠点にはそれぞれ1〜3カ所のバス収容基地があり、キング郡全体で7つの基地がある。いずれの基地もバス需要の増加から収容可能台数を超えており、全体ではその収容上限を13%超過した1600台のバスが収容されている。そのため、7カ所ある車両基地の拡大プロジェクトと平行して、新たな拠点の増設を検討していた。

新基地には、電池充電式で二酸化炭素などの大気汚染廃棄物を排出しない「ゼロ・エミッション」のバスのみを250台導入する計画も進められている。電力も使えるハイブリット・タイプのバスは、排気ガスを従来のディーゼルエンジン・モデルよりも30%削減でき、すでに運行している。オール電化バスの導入によって、さらに大気環境の改善が進むことが期待される。

今回、新車両基地の候補20カ所から選抜されたのは、ケント市内の1カ所とオーバーン市内の2カ所。いずれも約3万7千坪あり、将来的には基地拡大への対応が見込める。同プロジェクトの目標のひとつとして、住民と地域コミュニティーへの貢献を掲げるキング・カウンティー・メトロは、長期的な雇用創出による経済効果ほか、車両からの大気汚染被害が長年問題視されてきた同地域の環境改善にもつながるとしている。

新拠点の建設とオール電化バス導入への予算は4.8億ドルと発表されている。同じキング郡南部では、タクウィラ市の車両基地が2020年9月までに拡大工事を完了し、電力駆動バス収容も可能な設備を備える予定。今後は技術的観点と環境保護の両面からさらに審査を進め、地域コミュニティーとの対話を重ねながら最終的な候補地を決定する見通しだ。

(坂元小夜)

横浜生まれ東京育ち。大学院進学のため2015年よりシアトル在住。日本のポピュラーカルチャー、特に1960-70年代の音楽について研究。歌謡曲と任侠映画をこよなく愛する。週末はアンティークショップ巡りや、ワシントン州の豊かな自然を探索しに出かけるのが楽しみ。