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日本企業のシアトル進出続々

東京に本社を置く株式会社サイバーセキュリティクラウドが10月30日、子会社をシアトルに設立し、アメリカ初進出を果たした。同社はアマゾンのクラウド・サービス、AWSのユーザー向けに、AWS WAF(AWSのセキュリティ対策機能)を人工知能で自動運用するサービス「WafCharm(ワフチャーム)」を提供している。

WafCharmによって、AWSでウェブ・サーバーを運営する企業は、サイバー攻撃の防御に必要な最適データを選択・適用するという煩雑な業務を自動化できる。今後、同社はWafCharmを主軸に海外での事業を拡大するため、アマゾン本社があるシアトルに拠点を置き、AWSとのパートナーシップをより強化するとしている。既存サービス「攻撃遮断くん」含め、新サービスも北米市場を中心に展開し、5年後の2023年までに海外売上比率5割を目指す。

今年に入り、日本企業のシアトル進出のニュースが続いている。AGC旭硝子のバイオ医薬事業子会社であるAGCバイオロジクス(旧CMCバイオロジクス)が、中枢拠点をシアトルに移管すると1月9日に発表。7月18日には、ボセルに完成した新本社兼工場の開所式が開催された。AGC旭硝子は、バイオ医薬を含むライフサイエンス事業を戦略事業のひとつとしており、2016年12月20日にデンマークを本拠とするCMCバイオロジクス(バイオ医薬品開発製造受託企業)を買収していた。また、米菓製造を行う岩塚製菓も、シアトルでの米国子会社設立を8月6日に発表した。日本国内市場の拡大に限界があると見て、成長戦略の一環として北米への事業展開を図る。

日本企業の進出に伴い、日本からシアトル周辺への駐在員も増えている。2012年に全日空がシアトル―成田線を就航開始以来、2019年からデルタ航空、日本航空による日本―シアトル間の直行便拡大もあり、今後もますますシアトルにやって来る日本人が増えそうだ。

(小林真依子)

編集ライター。金融機関で勤務の後、留学のためシアトルへ。毎日の小さな「オモシロイ」を求めて日々シアトルを探索中。テクノロジーの町にいながらアナログを楽しむ関西人。