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ベースボールの季節へ〜一石

by 佐々木 志峰

これほどに雨のないシアトルの1月は記憶にないほどだ。当地特有の鉛色の雲で覆われていない、晴れ晴れしい朝は逆に厳しく冷え込む。それでも徐々に日が経てば、春も近い。そうなればベースボールの季節到来となる。日本選手がチームに所属しなくなって久しい我らがシアトル・マリナーズ。寂しさもあるが、今年はスプリングトレーニングに藤浪晋太郎ふじなみしんたろう投手が参加することが1月半ばに決まった。厳しい競争が待ち受けるだろうが、何とかチームロースター(チームの公式戦に出場できる資格を持つ選手枠)入りしてもらいたい。

日本からはロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結んだ佐々木朗希ろうき投手らが新たに海を渡り、顔ぶれも増えた。シーズン中のトレードなどでチームを動く可能性もあるが、当地でマリナーズと対戦が予定されるシリーズは次のようになる。

前田健太選手のデトロイト・タイガース戦が3月31日(月)から4月2日(水)。元マリナーズ菊池雄星選手のロサンゼルス・エンゼルス戦が4月29日(火)から2試合、9月11日(木)~14日(日)で4試合。小笠原慎之介選手のワシントン・ナショナルズ戦が5月27日(火)~29日(木)。菅野智之選手のボルチモア・オリオールズ戦が6月3日(火)~5日(木)。吉田正尚選手のボストン・レッドソックス戦が6月16日(月)~18日(水)。ダルビッシュ有、松井裕樹両選手のサンディエゴ・パドレス戦が8月25日(月)~27日(水)。そして大谷翔平、山本由伸、佐々木の各選手擁するドジャース戦が9月26日(金)~28日(日)と、レギュラーシーズンの締めくくりに組まれている。

今挙げた以上の大イベントは8月9日(金)にやって来る。マリナーズが誇るレジェンドで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチローさんの永久欠番入り式典。チームが誇ったスター選手のケン・グリフィーさんらとともに背番号「51」がマリナーズ本拠地に永久に掲げられることになる。3月27日(木)のシーズン開幕戦では始球式を務める予定という。

イチローさんは1月、日本での野球殿堂入りに続き、米国でもアジア人初の野球殿堂入りを果たした。日本では神戸を本拠地としたオリックス・ブルーウェーブ(当時)で活躍。米国ではマリナーズ。姉妹都市のシアトルと神戸。阪神淡路大震災から丸30年を迎えた今年。両コミュニティーにとっても特別な瞬間だったに違いない。