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ワシントン大学主催 デイ・オブ・リメンバランス2018

ワシントン大学が主催する「デイ・オブ・リメンバランス2018」が3月4日、日系二世退役軍人(NVC)ホールにて行われた。ワシントン大学のアメリカ民族研究学部、日系二世退役軍人会、シアトル日系アメリカ人市民同盟(Seattle JACL)、ワ州日本文化会館(JCCCW)などの関係者を中心に、約60名が集まった。「デイ・オブ・リメンバランス」は第二次世界大戦で米西海岸沿岸部からの日系人強制退去の引き金となった大統領令9066号の発令日を記憶にとどめるための日で、1978年にワシントン州で最初に追憶イベントが行われた。近年では、毎年、州内の各地で関連行事が行われている。

同イベントでは、シアトル古今太鼓メンバーによる和太鼓演奏のオープニングのあと、ジャニス・タナカ監督の映画「ライト・オブ・パッセージ」が上映された。映画は、強制収容所に家族を残しアメリカ軍として従軍した日系二世元兵士たちの、勇気と正義を求め続ける足取りを追ったドキュメンタリーで、近年公開された機密文書や保管映像、関係者からの新たな証言をもとワシントン大学主催デイ・オブ・リメンバランス2018に、アメリカの民主主義を説く内容だ。

デイ・オブ・リメンバランスが始まった1978年頃から日系人強制収容に対するアメリカ政府の謝罪と補償を求める市民活動が活発化し、1988年8月10日にロナルド・レーガン大統領が「市民の自由法」に署名した。それから今年で30年。第二次世界大戦中の日系アメリカ人の歴史は、日本では一般にあまり知られていない。歴史と向き合い、記憶を風化させないというシアトル日系コミュニティーの思いを強く感じるイベントだった。映画では、日系二世米国軍人の苦悩や葛藤と、そこから湧き出る平和へのメッセージが印象的だった。

(相良 妃貴)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。