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100人の大合唱で締めくくる 第2回シアトル合唱祭

東日本大震災から8年。歌を通じて復興を支援し続けようと3月10日、第2回シアトル合唱祭が催され、会場いっぱいに歌声が響いた。

会場となったベルビュー・チルドレンズ・アカデミー(BCA)には、午後2時半の開会前から続々と人が集まり、ボランティア・グループのなでしこベーカリーによる恒例のベイク・セールに列を作った。個々のスイーツに値段は付けず、参加者から寄付を受け取る仕組みで、クッキーやたい焼き、マカロン、餅ケーキなど、35世帯に上るボランティア・ベーカーが腕を振るったスイーツに、参加者の手が次々と伸びていた。

合唱祭開始時になると250人近くが集い、用意した椅子が足りず立ち見が出るほどに。追悼の黙とうの後、主催の日本語合唱団、サウンド・シンガーズ、エコーコーラス、エバグリーン・グリー・クラブのほか、新しく誕生した女声コーラス・グループであるキャビン・クワイヤーも参加して、それぞれが歌声を披露した。また、有志による太鼓やウクレレの演奏、歌、ダンスも会場を沸かせた。

締めくくりは、一般も交えた合唱団「コーラス・オブ・ホープ」による、100人の大合唱。一家全員で参加したという家族や、母娘ペアの姿もあり、田形ふみさんの指揮で合唱祭のテーマ・ソング「ほらね、」が歌われ、「あなたは、決してひとりではないよ」とのメッセージで合唱祭を終えた。

シアトル合唱祭は、東日本大震災直後に立ち上げられた音楽グループ「ソングス・オブ・ホープ」の活動を通じ、前述の3つの日本語合唱団が交流する中から生まれた。BCAの清水楡華校長の協力で会場が提供され、2017年に初回合唱祭が実現し、今年で2度目。なでしこベーカリーは、2011年に開催されたソングス・オブ・ホープの初回コンサートで誕生した。今回のベーカリー責任者である西村紀子さんによれば、ベイクセール後の寄付も加えた当日の寄付総額は3,000ドル。全額が、原発事故による被曝被害から地域住民を守る活動を行っているNPO法人、いわき放射能市民測定室たらちねに送られる。

(楠瀬明子)

福岡県出身。1988年から99年まで北米報知編集長。