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「学びたい大人の社会塾」熱中小学校が12月1日、オープンハウス開催

「もういちど7歳の目で世界を」をテーマに、大人の学び舎を提供する熱中小学校が、来年2月にシアトル校を開校する。先駆けて12月1日、ベルビュー・チルドレンズ・アカデミー(BCA)でオープンハウスが開催され、第一期生の募集を行う。

熱中小学校は、過疎化が進む地方で廃校になった小学校などを再利用し、起業家、IT関係者、音楽家、大学教授など各分野のトップスペシャリストを講師に招き、大人向けに授業を行っている。地方と首都圏の人的交流を通して地方経済を活性化する目的で、内閣府から地方創生推進交付金も受けている。2015年に山形県高畠町で初開校し、現在は日本各地に12校を展開する。シアトルでは今年7月7日のジャパンフェアで、株式会社ヒューマンセントリックスの中村寛治代表が「動画力」をテーマに出張授業を行い話題を呼んだ。

シアトル校は日本国外で初めての開校。校長には、校舎を無償提供するBCAの清水楡華校長が着任する。講師陣は日本以外に、シアトルを始め北米からのトップスペシャリストも並ぶ予定だ。授業は日本語だが、補助的に英字幕表示も付く。「シアトルで頑張る日本人、そして日系アメリカ人など日本との関わりが深いアメリカ人の方々が、日本で活躍する方々とネットワークを広げていく機会になれば」と清水校長。日本側で講師陣の調整などを行う「海外担当用務員」には、アジア・オセアニア諸国と日本の教育交流を振興する「かめのり財団」の西田浩子事務局長が着任。下見のため11月にBCAを訪れた西田氏は、「イノベーティブな土壌があるシアトルでの開校は、日本側の生徒や講師陣も楽しみにしている。シアトル校が成功すれば、そのモデルを環太平洋地域の他都市へも持っていきたい」とコメントを寄せた。第一期コースは、2月23日の初回授業を皮切りに6月までの毎月最終土曜日、全5回の授業が行われる。第一期の最終授業には、日本各地の熱中小学校生徒もシアトルへ集まる予定だ。

12月1日のオープンハウスには、内田洋行の大久保昇代表取締役社長が講師に招かれる。ICT(情報通信技術)インフラ構築を基盤事業とする同社で2014年から現職に就く大久保氏は、教育現場でのICT活用に精通した人物としても知られる。今回のオープンハウスでは、最先端のプレゼンテーション技術を使って、大人でも楽しくなる理科を教える。高岡熱中寺子屋おむすびチームも加わり、参加者全員でおむすびを食する「家庭科授業」も開催される。オープンハウスは無料。社会人だけでなく、高校生を含む学生も歓迎している。詳細は、info@necchu-seattle.orgまで。

(室橋美佐)

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北米報知社ゼネラル・マネジャー兼北米報知編集長。上智大学経済学部卒業後、ハイテク関連企業の国際マーケティング職を経て2005年からシアトル在住。2016年にワシントン大学都市計画修士を取得し、2017年から現職。シアトルの都市問題や日系・アジア系アメリカ人コミュニティーの話題を中心に執筆。