筆者:金子倫子
2021年も既に残すところあと1か月半。来年は、このコラムも12年目に突入。年齢を重ねれば重ねる程、1年が短く感じられるというが、その言葉に異議なし! 気持ちと時の流れが全くシンクロしない向寒の候。
正式に婚姻され、皇籍離脱された秋篠宮家の長女、眞子内親王。もう皇族ではないので、内親王ではなく、「さま」も付けないのが正式なのだろうが、今回は「さま」は付けておくとしよう。
「この人の妻になる」という意思は、結婚の会見での眞子さまの左手薬指の指輪が何よりも物語っていたのではないか。指輪の詳細が発表されていないので、インターネットでも色々な憶測が飛んでいるが、どれも想像の域を出ていないようだ。太めのリングでプラチナかホワイトゴールドか? というぐらいしか写真からは分からない。
秋篠宮殿下と紀子さまが結婚したころを覚えている私は、一般人から皇族となった母と皇族から一般人となる娘はどんな思いでこの日を迎えたのだろうかと考えずにはいられない。秋篠宮夫妻の婚約指輪は、秋篠宮殿下が研究されているナマズをモチーフにしたもので、現代の名工である入倉康氏に製作依頼をした。ナマズがくるっと指を巻く様なデザインで、遊び心溢れている。入倉康ジュエリー工房のホームページに掲載してあるので、興味のある方はチェックを。
それにしても、一般人になる人とその夫に、どうしてここまでの批判が浴びせられるのか。眞子さまが辞退された一時金は、皇室経済法の6条で、「皇室を離脱する人がその後も元皇族として品位保持の資に充てるための支出」なんだそうだ。それもあって、そもそも本人が辞退するしないよりも、宮内庁が「品位保持」が可能なのか否かを判断するものだそう。結婚に際して、通常の儀式なども無く、一時金も出ないという事から、もちろん税金も使われていない。それなのに、なぜそこまで非難されるのだろうか。
世界でもロイヤル達の結婚には大きな批判がつきもの。最近では、イギリスのヘンリー王子と結婚したメーガンさんへの批判は世界中の政治的・人種的、その他諸々の要素を巻き込み、世界規模の中傷があった。実は、今やオランダのシンボルとも言えるような太陽のような笑顔が印象深いマキシマ王妃も、結婚する時には国民から大きな反対があった。父親が大量殺戮をしたとされるビデラ独裁政権時の農林大臣だったことから、責任問題の是非が問われた。スウェーデンのシルビア王妃も、ナチス党員だった父親のことで、ユダヤ系国民の反対を受けながらの結婚だった。将来の国王の妻になる人達の父親のこれだけの背景ですら最終的には受け入れられたのに、民間人となる眞子様の夫となった小室さんは、そこまで批判されるべきなのだろうか。
腑に落ちないのは、愛子さまのティアラも同様。来月には天皇皇后の長女である愛子さまが20歳となり、成人皇族となる。そこで、通常はティアラ制作の予算が組まれるはずなのだが、2021年の宮内庁予算には入っていないそうだ。コロナ過であることが考慮されてのことだそうだが、秋篠宮家の眞子さまも佳子さまも20歳の折に各3000万円弱のティアラを作ったのに、愛子さまは新調しないというのはどうなのだろう?と思ってしまう。時代が違えば女性天皇になったかもしれない愛子さまが、お下がり(リメイクかもと言われている)なのは何とも納得がいかない。
スウェーデン王室は人数が増えすぎたため、国王の孫のうち5人は王室から外れるとのことだ。逆に、日本は天皇の現実味のある継承者は秋篠宮様と悠仁様(他はご高齢)と圧倒的に少ない。眞子さまの結婚問題は、実は天皇継承という大河の中の布石なのかもしれない。紀子さまの父であり眞子さまの祖父の川嶋辰彦さんが、眞子さまの結婚会見から一週間ほどで亡くなられた。川嶋さんにとってはただ、かわいい孫の眞子さまの結婚を見届けたのだろう。