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マービスタ小学校児童が 日本町を社会見学

文:室橋美佐

4月20日、ハイライン・パブリックスクール学区内のマービスタ小学校4年生児童が、ウィングルーク・アジア博物館の日本町ツアーガイドの案内で、インターナショナル・ディストリクト内にあるジャパンタウン(日本町)の見学を行った。

この社会見学は、ナショナル・パーク財団(National Park Foundation)が主催する「Every Kid in a Park」プログラムの一環として、当財団に属するウィングルーク・アジア博物館が、ハイライン・パブリックスクール学区と協力して実現したものだ。

当日は、児童約85名、保護者約15名、教員3名が参加。各10名ほどのグループに分かれて、パナマホテル、まねきレストラン、KOBO at HIGOなどを巡りながら、かつてそこにあった日系移民家族の生活や、1941年の強制収容について学んだ。ウィングルーク・アジア博物館の教育ツアー・ディレクターを務めるラウル・グプタ(Rahul Gupta)氏は、「ここには、かつて、多くの家族や子供たちが住み、誰にでもある日常を送っていた。多くの人は、アメリカで生まれたアメリカ人だった。日本との戦争がはじまると、彼らはすべてを奪われて、強制送還された。それが、よいことだったのか、わるいことだったのか、自分たちで考えてほしい。」と、子供たちに語りかけた。グプタ氏は、アメリカで生まれ育ったが、祖父母が中東地域からの移民で、自身もイスラム教を信仰している。9・11同時多発テロ事件の際には、「自国が襲われた恐怖と、自身のバックグラウンドに対する周囲からの目への恐怖の両方を感じた」と、自身の経験も子供たちに伝えた。

参加した児童の一人は、「日本町の歴史を知ることができて良かった。また、機会をつくって家族で訪れてみたい」と話した。

北米報知社ゼネラル・マネジャー兼北米報知編集長。上智大学経済学部卒業後、ハイテク関連企業の国際マーケティング職を経て2005年からシアトル在住。2016年にワシントン大学都市計画修士を取得し、2017年から現職。シアトルの都市問題や日系・アジア系アメリカ人コミュニティーの話題を中心に執筆。