東日本大震災をきっかけに始まった日米高校生の交流を描いた日英両語による絵本、『TheExtraordinary Voyageof Kamome( 邦題:いつまでもともだちでいようね)』のブックイベントが24日、インターナショナルディストリクトの紀伊国屋書店で行われた。イベントでは読み聞かせ、サイン会、ボートの写真紹介が行われた。
東日本大震災の津波で太平洋を渡り、カリフォルニア州クレセントシティーまで流された宮城県陸前高田の高田高校の船。絵本では、同州デルノーテ高校の生徒が声をあげて返還したことで始まった二校の交流が描かれている。
共同著者で陸前高田市の海外広報部長のアミア・ミラーさんは、「シアトルの方々が震災後寄付してくださった支援金は被災地の方々に届き、大きな助けとなりました」とシアトル市民へ感謝の言葉を伝えた。
絵本のイラストを担当した日系三世のエイミー・ウエキさんは「震災には心が傷んだ。日系三世として、何かできることをしたかった」と語った。
23日にはベルビュー・チルドレンズアカデミーを訪れたほか、関係者はオレゴン州などノースウエスト地域を回り、同様のイベントを開いている。
震災から今年で5年。記憶の風化は進むが、被災地の復興はなかなか進まないとミラーさんは語る。一方で船が米国から戻った奇跡は、被災地に希望と若者同士の新たな絆を生んだ。
「この日米交流を通じてお互いの世界が広がった。この美しい交流を継続させなければ」とミラーさんは力強く語る。
本の売り上げは高田高校とデルノーテ高校の姉妹交流プログラムの資金に充てられる。詳しくはwww2.humboldt.edu/kamome、もしくはwww.facebook.com/kamomeboat/まで。
(記事・写真 = 遠藤 美波)