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シアトルホームレス対策 市からガイドライン発表

シアトル市のエド・マレー市長とジェイ・インスリー州知事が、I―5高 架下のホームレス集落「ジャングル」に対する緊急計画を発表してから2週間、シアトル市議会が同所ホームレスに関する最終的な対策案を5月 31日に可決した。内容については市長も合意しており、政策として施行 される方向だ。

5月31日付のシアトル・タイムズ紙電子版によると、ジャングルには現在数百人のホームレスがテント生活をしている。今年1月には2人死亡、3人負傷という発砲事件が起きるなど、安全確保が最優先とされる。近隣住民からも汚物、ごみ、雑草、その他火元や安全性を侵害する物の除去といった要望が続いていた。

マレー市長によると、同地区から緊急連絡が入った回数は、今年だけで 91回回に上るという。

今回発表された新対策案では、敷地からのテント立ち退きを目的とする長期的なガイドラインを構想している。入居可能なシェルター、精神障害や行動障害、中毒を持ったホームレス患者のニーズに応じたサポート提供を前提としている。

具体的な内容については、立ち退きの際、調査員はそこに住むすべての個人と面会、各ニーズに合った住居やサポートを提供するまでジャングルから強制退去させないという取り決めや、立ち退きを望まない、又は適当なサービスが受けられない人に関しては、3日の猶予が与えられ、ホームレ スというだけで逮捕されることがないようにするなどの事項も含まれている。

今対策については州の交通予算から100万㌦が割り当てられる見込み。マレー市長は具体的な期日は明言はしていないが、「数週間で終わるようなものではない」との考えを示している。

(大間 千奈美)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。