4月20日(金)~22日(日)の3日間、シアトル・センターにて開催される今年の桜祭の目玉企画!イベントに先駆けて、特別インタビューをお届けします。
ロングセラーの著書『断捨離』で知られる、やましたひでこ氏。過去にも2度シアトルを訪れており、講演会では多くの気付きを与えてくれる。今回はどんな内容になるのか、断捨離とはどんなものなのか、やました氏に話を聞いた。
取材・文:ハントシンガー典子
講演会はどんな内容を予定していますか?
今回は英語・中国語・日本語に堪能な通訳が同行し、シアトルでは初となる英語同時通訳付き「断捨離」講演会となります。別会場での講演会予定はありません。断捨離とは、自分の居場所、住空間を自らの手でクリエイトしていくプロセスを通して、自分自身を取り戻していく自己探訪メソッド。前回までのシアトルでの講演会と同様に、今回もやはり「不足の不幸」と「過剰の不自由」について、もっと意識を高めていく必要があると思っております。私たちは、不足でも損なわれるし、また、過剰でも損なわれます。けれど、過剰の不自由についてはなかなか気付くことが難しい。そして何より、私たちは過剰の中を生きています。
引き算の視点
引き算の思考
引き算の行動
断捨離は、私たちの生活、私たちの人生に有効に機能する「引き算の解決法」であることをお伝えします。シアトルは美しい街、そこに、桜が加わるなんて、素晴らしいですね。こうしてシアトルに来るきっかけを作ってくれた「シアトル・ダンシャリアンズ」の友人たちとの再会も楽しみです。
昨今の断捨離ブームについては、どう思いますか?
「断捨離」は、とても知られた言葉となっています。日常で普通に使われるほど。けれど、言葉がひとり歩きして、私自身が本当にお伝えしたいこととは乖離(かいり)があることも多く、とても残念な気持ちになるときもあります。それでも、断捨離の理念を深く理解して実践してくださる方も飛躍的に増えています。今や、中国や台湾でも広く知られ実践者は数限りなく。ヨーロッパ各国でも書籍が刊行されています。おかげで私は、自分が産み出した断捨離に、日本各地、世界各地に連れていってもらっております。
断捨離はどんな人に実践して欲しいですか?
全ての人々。年齢、性別、職業、人種、国籍を問わず、誰にとっても必要な行動哲学です。アメリカの事情を深くは知りませんが、私たちが必要以上にモノを抱え込んでしまうのは、どこの国民でも同じことでしょう。ただ、自身を取り巻く環境によって、その程度の差があるだけのことです。断捨離は目の前のモノ、目の前の空間から始めることが大切。何からと考える前に、どこからと考える前に、今の自分に必要がなくなってしまったモノたちを意識して取り除くことです。それは子どもでも同様。私たち大人以上に断捨離の理解と実践が早いです。断捨離をその感性で受けとめることができます。子どもに優れたモノを与えることは大切ですが、子どもに清々しい空間を与えることのほうがそれ以上に大切であることを、大人がもっと理解する必要があります。空間の力は大きいです。その影響は侮れません。
アメリカでは「ミニマリズム」「ミニマリスト」という言葉が注目されました。
断捨離とミニマリズム、ダンシャリストとミニマリストとは全く違います。まさに「似て非なり」です。ミニマリズムを「最小限化」の追求、ミニマリストは「モノの排除」とするならば、断捨離は「最適化」の訴求、ダンシャリアンは「モノを選び抜く」ことです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
人と人の出逢いは奇跡。あなたと断捨離を通して出会えることに、いっぱいの感謝です。
やましたひでこ氏「断捨離」講演会
日程や場所などの詳細は、近日更新予定の公式サイトで確認を。
問い合わせ:seattledansharians@gmail.com
やましたひでこ■クラター・コンサルタント。東京都出身、石川県在住。早稲田大学文学部卒。ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の「片付け」に落とし込み、誰もが実践可能な自己探訪メソッドを構築。断捨離は、心の新陳代謝を促す、発想の転換法でもある。処女作『断捨離』を始め、著作・監修
を含めたシリーズ関連書籍は累計400万部を超える。www.yamashitahideko.com