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パスポートのデザイン

普段の生活の中でそこまで必要性はないが、海外在留邦人にとって欠かせない大切な所有物にパスポートがある。

米国での生活であれば、渡日を含めた国外に出るときが使用の場となるわけだが、必要性の割に使用頻度も人によっては多くないかもしれない。そのため5年、10年の期限ぎりぎりまで更新に気が付かないこともある。

在シアトル日本国総領事館によると、4月1日からは領事・旅券手数料が下げられた。更新は有効期間1年未満となってからの更新が可能という。

さて今月18日、日本外務省から次期パスポートの基本デザインが発表されたとのリリースを受けた。今回の発表によると、基本デザインは葛飾北斎の「冨嶽三十六景」になるという。

表紙は現在と同様だが、見開きごとに「冨嶽三十六景」の各作品を採用、全ページ異なるデザインとなる。同パスポートは2020年東京オリンピック・パラリンピックを前にした2019年度からの導入を目指しているという。

昨今、日本では国レベルの行事におけるデザイン選定で様々な論議を呼んでいるが、今回は、事前に有識者5名が準備会合を開催、複数の候補から議論した内容を踏まえての決定との報告だった。

発表によると、基本デザインは「日本的なデザイン」をコンセプトに検討された。「冨嶽三十六景」は世界的に広く知られ、日本の「象徴」ともいえる富士山をメインとすること、日本を代表する浮世絵との評価から採用に至ったという。

各ページに異なるデザイン24作品が施されることになり、外務省によると、「各ページを異なるデザインとすることは偽変造対策にも有益」と発表している。

ニュースというほどのものではないかもしれないが、東京五輪を前にした発表は、前述のとおり安全対策を講じたものだろう。富士山が描かれたページに興味を引かれているが、身に必要な品々に「日本」を感じるものが施されている点について、所有者側も悪い気はしないだろう。

さてパスポート更新の時期の流れを考えると、新デザインを手にするのはまだ先になりそうだが、今現在のパスポートはどのようなデザインだったか、確認しておくのも悪くない。

(佐々木志峰)

N.A.P. Staff
北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。